トビタイ
Cris
第1話
退屈な授業が終わり、また嫌いな休憩時間が来る。私はヘッドホンをしたい気持ちに駆られながら外に視線を移す。敵しかいないクラスで、窓側の席であることが唯一の救いだ。周りは私に「変人」というレッテルを張り、一切関わろうとしない。まぁ私も人と関わらなくて済むのはありがたいけど……だけどさぁ、勝手に変人扱いしなくてもよくない? ちょっと自己紹介で夢見がちなところを出しちゃっただけじゃないか。皆だって高校入ったばかりのときは厨二病引きずっていたでしょ? 私はちょこ〜っと長引いているだけで、まったくもって「変人」ではない! だけど、認識を変えたいと思っても打開策が思い付かないので、感情を封印して乗り過ごそうと決めた。でも、やっぱり、息苦しいのは変わらない。
少しばかりの風が入り込む。群青の空をまっしろい鳥が悠々と散歩している。良いなぁ、私もキミみたいに飛びたいよ。それにしても、皮肉なほど快晴だ。やんわり温かくて眠くなってきたな。
チャイムが鳴り、また退屈な授業が始まる。私は先生の子守歌を聞きながらうとうとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます