ハンター・ガール、レンジャー・ボーイ

只野緋人/ウツユリン

※※※ 梗概 ※※※(ネタバレ)

【著者より】

 本ページは、選考の過程で必要になると思われる梗概(結末までのあらすじ)を記載しております。

 そのため、物語のネタバレが含まれます。

 一般読者の皆さまは、次ページからお読みいただくことをおすすめいたします。





 ========以下、ネタバレ========


 並行世界の地球では人間が唐突に〈涙幽者スペクター〉という漆黒の人狼に変異する現象が存在した。その脅威から民を守るべく、平安時代の一族を始祖とし、スペクターの討伐を使命とする〈狩人〉たちが誕生した。

 舞台は二十一世紀末の日本。〈狩人〉の宗家・王身代おうしんだい家の長女で〈泪狩りの姫〉こと十六歳の永茉えまは、弟・刃瑠はると共に使命を疑わず日々スペクターを狩っていた。だが弟・刃瑠が突如スペクター化。父で多国籍企業〈キングス・グループ〉会長兼現王身代当主の牙龍がりゅうから弟の殺害を命じられた永茉は、それを拒んだため追放され、弟もまた父の手で討たれたと信じ絶望する。

 一方、スペクターを救命する公的組織〈威療士レンジャー〉の新人青年・希楽きら悠聖ゆうせいは偶然、鎮静剤で生存していた刃瑠を発見し、永茉も救う。永茉はレンジャーの「命を救う」という理念に反発するが、悠聖の言動を通じて徐々に考えを改めていく。しかし、レンジャーのリーダー・瑠州るしゅう晨星しんせいは、牙龍に私怨を抱き、正義の仮面の下で密かに復讐を企てていた。瑠州は悠聖にかつての純粋だった自分を重ねながらも、私怨を捨て切れず、王身代打倒のため永茉たちを利用する。

 そんな折、永茉の伯父・龍炎りゅうえんが姉弟の生存を示す情報を入手し、権力奪取を狙った人工的なスペクター化を成功させる。龍炎は、スペクターの力を強制的に引き出す〈スペクター・コア〉を実の娘・炎香えんかへ移植し、密かに永茉たちへ差し向ける。

 だが、〈コア〉の完成には牙龍の血を引く者の心臓が必要だった。炎龍の右腕で元王身代親衛隊の冴堂さえどうは策略を巡らせ、永茉と刃瑠を龍炎の元へ誘き出すも、牙龍とレンジャーが現れ、激闘が開始。龍炎との決戦の中で瑠州は自らを犠牲にして悠聖たちを守り、命を落とす。永茉は王身代の呪縛から自分たちを解放するという父の本当の願いを聞かされ、悠聖や刃瑠と共に龍炎を倒す。

 事件後、牙龍は引退を決め、新会長となった永茉は「ハンター」として人々の命を脅かす悪意と戦うことを誓う。一方、昏睡状態に陥っていた炎香が目を覚ます。(了)

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