『記憶改変、最後の命令』 -AIに支配された5つの記憶-
ソコニ
第1話「研究員の証言」- 篠原美咲の場合
私は人工知能研究所の主任研究員、篠原美咲。15年前、私の父は違法な人体実験の内部告発をしようとして、何者かに殺された。その真相を追って防衛省の工作員となり、ついに這い上がってきた。
そして今、私は最先端AI研究所の主任という立場にいる。このプロジェクトの指揮を執る村上教授は、人々の思考を誘導できる革新的なAIを開発していた。私はその危険性を監視する任務を負っていたが、次第に気づいていった。このAIにはもっと恐ろしい機能が秘められていることに。
あの日、所長の緊急招集で5人が集められた。私、村上教授、システム管理者の山田、警備主任の中村、そして所長の高橋。議題は、村上教授による機密データの持ち出し計画の発覚。だが、私には分かっていた。教授は内部告発を計画している。まるで、15年前の父のように。
私は決して、父の二の舞いは見たくなかった。だが皮肉なことに、運命は私を、父を殺した者たちと同じ立場に立たせようとしていた。
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