3 レビューのテンプレート
テンプレートと聞くと、「型にはまっている」、「どれも同じに見える」など、毛嫌いする方もいらっしゃるかもしれません。
けれども、テンプレートがあるというのは、その展開でいけば、成功する確率が高い――少なくとも失敗する確率が低い、ということです。
みなさんは、学生時代に「小論文」の課題をやりませんでしたか? あれ、結構私は好きでした。だって小論文って、テンプレート――書き方の構成が決まっていて、それに従って書けばよかったですから。
主張:問題に対して、私はこう思います。
根拠:なぜなら、私はこう思っているからです。
具体例:例えば、私はこんなことを体験しました。
結論:ゆえに、私はこの問題をこう考えています。
作文を書く際も、「自由に書いてください」と言われたら、意外と書きにくかった経験はないでしょうか。ある程度テーマが決まっていて、さらに書く順番が決まっていれば、迷わずスムーズに書き進めることができます。
おすすめレビューも同様で、私には構成のテンプレートがあります。
①ひとこと紹介(キャッチコピー)
②一番の推し
③あらすじ
④良かった点(1~2つ)
⑤まとめ
順番に説明していきます。
①ひとこと紹介(キャッチコピー)
カクヨムのレビューには、本文の上に大文字で表示される「ひとこと紹介」がありますね。「この小説の魅力を一言でお伝えください(最大35文字)」と書かれています。
小説のキャッチコピー同様、ひとこと紹介はおすすめレビューの中で一番大事な文章です。
私は、直感で思い付く場合もあれば、他の文章を全部書いてから考えて書く場合もあります。
②一番の推し
レビュー本文の冒頭は、トップページの新着レビューで表示されます。ひとこと紹介の次に、読者の目につきやすい文章です。
冒頭の1~3文で、作品の一番推したいポイントを伝えます。といっても、難しく考える必要はありません。私は、自分にこんな問いかけをして、書いていきます。
・この作品をひとことで説明するなら?
・この作品をどんな人に読んでほしい?
・この作品を読んでどんな気持ちになった?
どんな話なのか、誰向けに書いたものか、明るい話なのか暗い話なのかなど、冒頭にわかれば、同じ内容の話を探している読者の目にとまりやすくなるでしょう。
あるいは、設定が面白い作品などは、実際に問いかけから始める場合もあります。
・こんな状況になったら、あなたはどうしますか?
・「〇〇〇」というものを、あなたは知っていますか?
こうすることで、同じような関心を持っている読者の気が引きやすくなると思っています。
③あらすじ
作品のあらすじを1~3文で簡潔に書いていきます。
短編なら冒頭数行、長編なら3エピソード分くらいの内容を書きます。作品自体のあらすじも参考にしますが、あくまで自分の文章で書いていきます。
一番書きやすい部分かと思うので、書き始めにつまった時は、あらすじから書くことが多いです。作品の内容も思い返せますし、書き出すことで勢いがつくと思います。
④良かったところ(1~2つ)
作品の良かったところ・面白かったところ・おすすめしたいところなどを書きます。ひとつにつき1~3文でまとめて、1つか2つ挙げることが多いです。
ここでは、感想パラメーターで特に良かった点を出していきます。
例えば、《キャラクター》のパラメーターが高かった場合。メモした箇条書きの中から、キャラクターに関することを抜き出していきます。
「キャラクターが個性的だった」
ただ、この一文だけだと、どんな作品にも当てはまりそうです。そこで、さらに自分に問いかけていきます。
・どんな個性的なキャラがいるの?
・一番おすすめのキャラは誰?
・個性的なキャラがいることで、作品はどう面白くなってる?
「登場するイケメン三人が個性的なキャラクターでした。クールに見えて臆病なトキ、やんちゃでしっかり者のカーくん、可愛くて寂しがり屋のカワセミくん。性格の異なる三人が毎回起こすハプニングで、賑やかなドタバタ劇が展開されます」
問いかけをして文章を膨らませることで、その作品にしかないレビューができていきます。迷った時は、きっと箇条書きの中に答えのヒントがあるはずです。
⑤まとめ
最後にまとめ、締めの一文を書きます。
小論文でも最初と最後は同じことを書くように、だいたいここでも言いたいことをまとめる文章を書きますね。
・この作品をひとことで説明するなら?
・この作品をどんな人に読んでほしい?
・この作品を読んでどんな気持ちになった?
①や②で書ききれなかったことを書く場合もあります。言葉を変えて、再度同じことを言っている場合もあります。
①~⑤は順番に書く必要はなく、書きたいところから書いていってOKです。
ちなみに私のこのレビューテンプレですが、長編作品のレビューを書く際に使うことが多いです。一方、短編やエッセイなどは、あえてテンプレに従わずに、感じたことをそのまま書く場合もあります。作品の雰囲気にもよるので、臨機応変に使い分けています。
おすすめレビューで書きたいことがまとまらないという人は、参考にしてみてください。自分で書きやすいようにアレンジしても良いと思います。ぜひ、自分なりのテンプレを作ってみてください。
《まとめ》
・レビューのテンプレート(構成)を決めてみよう。
―――――――――――――――
①ひとこと紹介(キャッチコピー)
作品の魅力を一言で。
②一番の推し
この作品はどんな作品?
③あらすじ
自分の文章であらすじを簡潔に。
④良かった点(1~2つ)
感想パラメーターや箇条書きを参考に。
⑤まとめ
①や②をさらにまとめて。
―――――――――――――――
・自分に問いかけをすることで、文章を膨らませていこう。
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