歩みを進めるにつれ、意識が見つめる先は内省になる、必然の物語があります
- ★★★ Excellent!!!
長く続けた旅も、思えば遠く来たもんだ、そう思います。中原中也「頑是ない歌」を引いて。
中原中也「頑是ない歌」は著作権が切れているためネットで読めます。「頑是ない歌」は、大人の男が少年時代からの半生を振り返る詩です。詩を読めば気づきます。なるほど、そういうことかと。
《物語り》と呼ばれ師でもある男性・タイカが旅を続けるにつれて自身の内面に潜っていくことを、物語の主人公である少女・シュトも感じ取り始めます。
知らない物を見れば、見たときに思いがけない言動に出る自分の姿も見ます。そして振り返ると気づきます。今の自分は、何に出会い、出会ったときに何を選択して、ここまでたどり着いたのかを。
本作の世界は幻想的かつ命が保証されない峻厳なもの。生きるか、死ぬか。醜いか、尊いか。それらは夾雑物なく露わになります。内面を探るには、ファンタジーは伝わりやすくなります。
歩みを進めるにつれ、意識が見つめる先は内省になる、必然の物語があります。
その行く末は、何処に。