EP.6 さりゆく平穏

「ごめん、待った…って、ほんとにいた!」

ふとその声が聞こえ、僕はそちらを見た。

「久しぶりね、久里くりちゃんに陽登はるとくん」

三谷みたにさんはそう2人に言う。

「ああ。久しぶり、三谷」

陽登はそう言った。

「ねえねえ、早く見よ、メモ。私気になり過ぎて授業に集中できなかった」

久里は僕を急かす。

僕はメモをポケットから取り出し、テーブルの上に広げた。

「これが琴奈ことなちゃんから貰ったメモです」

僕たちはメモを見た。

そこには、

土岐とき 依織いおりの死因はいじめだった可能性がある。その場合、クラス内でいじめがあり、私達はそれに気付かず依織を死に追いやってしまったと考えられる。証拠は真城しんじょう中学校3年1組にある]

と書いてあった。

真城中学校とは、僕たちが通っていた中学校だ。

「三谷さんも一緒に行きますか?」

僕がそう尋ねると、三谷さんは「逆にここまで来といて付き合わないことあるの?最後まで見させなさい」と言ってくれた。

「じゃあ、今から行くか?善は急げだし、早い方が良いだろ」

陽登がそう言って席を立つ。いつの間にか食べ終わっていたようだった。

僕も食べ終わったので、席を立つ。

全員が食べ終わり立ち上がった。

「真城中学校、か。久しぶりに行くわね。道覚えてるかしら」

三谷さんが言ったその時。

「真城中学校?」

可愛らしい声が、僕たちの耳に届いた。

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