第26話 共有
その日の夜9時。
マンションの寮のほうのリビングに、3人と甘楽がいる。
「アーニャだけずるい。そいういのダメだよね。」
「リーダーとして、抜け駆けは認められないわ。」
事情を三人から聞いた甘楽は、あきれたように言う。
「わかってると思うが、俺は一人しかいない。
明日は午前中からカメラの周辺機器の買い物のあと、事務所へ行って打ち合わせだ。」
なじみが言う。
「三人相手しなさいよ!若いんだからできるでしょ」
他の二人は黙っている。
普段、たいていのことでは動じない甘楽の顔がひきつる。
「おい奈美、お前何言ってるのかわかってるのか?そんな簡単なことじゃない。
…というかお前ら、今更だけどそんな話、3人でいつもしてるのか?」
「いつも考えてるのはサーシャだけだよ。この子はむっつりスケベだからね。ナージャは淫乱だけど、切り替えはきっちりしてる。」
杏奈が真面目な顔で答える。
爽香が真っ赤になる。
「そ、そんなことないもん。真面目に仕切るのがリーダーの役割なんだから。」
「反抗されると嬉しいくせに。」
「何それ、知りません!」
甘楽はいう。
「とにかく、一晩に3人は無理だ。それに、あまり夜更かしもしてほしくない。」
爽香となじみが露骨にがっかりする。
特に爽香の目から光が消えている。
そんな爽香を見て、杏奈が切り出す。
「一応の解決方法があるよ。」
爽香となじみが杏奈の方を向いて聞く。
「どうするの?」
「ナージャには悪いけど、今夜は遠慮してよ。 先週、シてるでしょ。最後に甘楽くんとシたのはナージャだよね。ボク、知ってるんだ。」
なじみは反論できない。まあ、ここで嘘をついたところで甘楽が認めたら意味がないのだ。
爽香が聞く。
「じゃあ、どうするの?」
杏奈が得意そうに答える。
「ボクとサーシャ、同時に可愛がってもらおうよ。甘楽くん、美少女二人と同時にできるよ。夢の3P! やったね!あ、これからやるのか、アハハ!」
あまりのことに、なじみはドン引きしている。
爽香も顔を真っ赤にしながら言う。
「そ、そんなハレンチな!」
「参加者全員がOKなら問題ないよ。甘楽くん、いいよね?」
杏奈は甘楽に向かって言う。
「…まあ、な。爽香が同意すればだな。まあ、同意しないなら杏奈を可愛がるだけだ。
俺はどっちでもいい。」
爽香が、おずおずと甘楽の服の裾をつかむ。
それを見た杏奈が言う。
「決まりだね。じゃ、一時間後にボクの部屋でね。」
そこで三人を見て、甘楽が改まって言う。
「連絡事項だ。明日の朝食は8時以降。ただ、一緒に食べなくていい。パンとコ―ヒーとサラダ、あと何かおかずを置いておくから、トーストして食べてくれ。
俺は9時半には出るから、そのつもりでな。時間がないので洗濯はできないから、悪いけど急ぐなら明日自分でやってくれ。洗濯機はどれを使ってもいい。」
甘楽はそう言って、自分の部屋へ戻る。
「サーシャ、お風呂入ろう。ナージャはあとね。」
杏奈が言う。
「何でアーニャが仕切るの?」
爽香がぼやく。
「だって、こういうことになるとサーシャは言い訳するばかりで全然動かない、かなりポンコツだもの。」
「アーニャ、容赦ないね。」
なじみが感想を言う。
「ま、いーからいーから。サーシャ、髪の毛乾かすんでしょ。早くお風呂入ろう。」
杏奈は爽香を促す。
「あたしは今日は自分の部屋のシャワー使うから、お湯は抜いておいてね。」
なじみが言う。
「先週抜け駆けした悪い子は、早く寝なさいね。」
杏奈がなじみに言う。
「今日は正直疲れたし、そうするわ。」
なじみも自分の部屋に戻る。
杏奈と爽香は入浴し、そのあと杏奈が爽香の髪を乾かしてやる。
長い髪なので大変だ。
ドライヤーは各自持っているので、爽香の髪が一段落すると、今度は自分の髪を乾かす。
ブラシで髪を整えながら、杏奈が言う。
「ここに落ちた髪の毛とかも、気づいたら綺麗になってる。ボクが掃除当番のときもね。 多分、甘楽くんだよね。洗濯してくれるときに床も掃除してるのかな。 ホント、女子力高いなあ。」
杏奈が溜息をつく。
「え、そうなの。全然気づかなかった。」爽香が驚く。
「サーシャはがさつだからね。まあ大女は気が回らないものさ。」
「アーニャ。それは言わない約束でしょ。」爽香がむくれる。
そうこうしながら二人はパジャマに着替え、杏奈の部屋に行く。
ベッドは十分大きい。
「これを見越して、大きなベッドにしたのかな?」
杏奈が能天気につぶやく。
「さすがにそれはないと思うわよ。」
爽香が答える。
部屋のドアがノックされた。
杏奈がドアを開ける。
荷物を抱えた甘楽がそこにいた。
「何持ってるの?」と杏奈。
「バスタオルやシーツの替えとかな。あと、ちょっと前にお前に言われてたものも入ってる。あとは念のためカメラと三脚な。」
「なーんだ、甘楽くんもやる気まんまんじゃない! 元気なオットセイだね。!!」
「こら、若い女の子がそんな話するんじゃない! あと、シーツの上にバスタオルを重ねて敷いておいてくれ。」
「りょーかい。」杏奈がてきぱきとバスタオルを並べる。
「あの、カメラって、やっぱり撮るんですか?」おずおずと爽香が聞く。
「いや、念のためだ。お前たちがその気にならないならもちろん撮らない。」
甘楽が答える。
「サーシャ、撮ってほしいくせに!ボクはいいよ。」杏奈が言う。
「…知りません!」爽香は真っ赤になり、シーツに顔を埋める。
「サーシャもOKしたよ。今日はビデオだね。」杏奈が甘楽に言う。
「まあ、そうだな。ハンディカムは最初だけだ。基本は三脚固定な。あとは流れで。」
「りょーかい。」:」
「あと、爽香。このリストバンドを両手にしてくれ。」
甘楽は、スポーツで使うリストバンを二つ爽香に渡す。
「何ですか?」
「見ての通りさ。手首につけてくれ。」
爽香はちょっと楽しそうにバンドをつける。
甘楽は、ビデオのスイッチを入れる。
そして、甘楽は鞄から目隠しとおもちゃの手錠を撮りだす。
「今からお前はサヤだ。サヤの時は俺の言うことに逆らってはいけない。いいな、サヤ。」
「…はい!」
「サーシャ、じゃないサヤ、嬉しそうだね。」杏奈が感想を言う。
「サヤ。目隠しをしろ。」
爽香はアイマスクをつける。
「パジャマの上を脱げ!」
爽香は目隠しをしたまま、パジャマの上を脱ぐ。
ノーブラなので、豊満な双丘が露わになる。
「お前を拘束する。」甘楽は爽香の両手に手錠をかける。
「リストバンドは、手首に跡を残さないためだね。甘楽くん、優しいね。」と杏奈。
「大事な商品だからな。傷や跡が残らないように取り扱い注意だ。」甘楽が答える。
それを聞いて目隠ししたまま爽香が笑顔を見せる。
甘楽は杏奈に言う。
「君は今夜はアンだよ。 アン、サヤの目隠しを取ってくれるかな、「
杏奈が爽香の目隠しを取る。
爽香が見たものは、自分を撮るビデオカメラだった。
「サヤ、お前の姿はしっかり残してるからな。ちゃんと言うこと聞けよ!」
甘楽が言う。
「…承知しました。」真っ赤になりながらも嬉しそうな爽香が言う。
「じゃあ、ボクもサヤを手伝ってあげるよ。」杏奈が妖しく笑う。
☆彡
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「サヤ、よく待てたな。お前の番だぞ。」
「はい!」嬉しそうに爽香が答える。
「サヤ、放置されて嬉しかったんだね。変態だね。」
「…言わないで!」
「言葉はもっと丁寧にね。甘楽くんも言ってたよね。サヤはボクにも服従だよ。」
「すみませんでした。」
それから爽香の嬌声がひびきわたる。
甘楽だけでなく、杏奈からも責めらてら爽香はひとたまりもなかったのだ。
「サーシャの声で目が覚めちゃったよ~」
なじみは自分の部屋で嘆くのだっ
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こんにちは、お急ぎですか。
〇〇〇〇が戦えと言ってる。
作者です。
あーあm、こんな展開になっちゃった。
だんだんみんなのキャラが見え始めましたね。
ちなみに「やる気まんまん」という漫画が夕刊紙に連載されていたことを知る人はいるのでしょうか?
ちなみに、この語、甘楽くんは、ベッドの、ベッドのシーツを交換してから部屋に戻りました。えて
続きは…待つ間に★や??でもつけてくださいね(笑)
お楽しみいただければ幸いです。
ハート、★、感想いただければ幸いです。
特に★が増えると作者は喜びますので、まだの方はお気軽にお願いします。
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