『都咲団地教』第1〜6話は、最初はちょっと不気味な宗教ミステリーかと思いきや、話が進むにつれてどんどん哲学的でSF的になっていくのが面白かったです。特に転生の話に入ってからの主人公の考察は濃密で、読み応えがありました。
「転生のすゝめ」っていう怪文書を軸に、主人公が自分自身や別の自分を疑い始めて、世界線やタイムリープ、自己同期といったSF用語が自然に浮かんできたのがすごい。第6話ではほとんど思考の独白なのに、不思議と緊張感があって引き込まれました。
全体を通して、日常の中に潜む不気味さと、「もし自分だったら」と思わせるリアルな迷いがうまく重なっていて、読後もじわじわ余韻が残ります。ちょっと怖くて、ちょっと切なくて、めちゃくちゃ面白いです。