第20話 夢喰らう"愚者"と記憶 其の十『四季編α』Ⅵ
「貴方起きてください。朝ですよ。」温かい日差しと咲夜の声で目が覚める。久しぶりのベッドで疲れがたまっていたのか目蓋が重い、ベッドから体を起こす。
「もう朝か早いな、おはよう咲夜。咲夜はぐっすり寝れたか?、まだ俺は眠い。」
「だからと言って二度寝しないでください。どうせ二日酔いだと思って食べやすいもの作りましたよ。」
「おお!、まじか。なら起きるかな。胃の調子が悪いから助かる。」リビングに向かう。咲夜が作るご飯は格別にうまいから楽しみだ。
「おはよう"四季"、眠そうだね。一足先にご飯いただいてるよ。」
「何でお前がいるんだよ。お前飯食わなくても生きていけるだろ?」
「そうだよ、別に死ぬことはない。でも美味しいものは食べたいよね。それが"人間"というものでしょ?」
「そうだな。腹が減ったときうまいものを求める、それは普通なことだ。」
「朝から変な会話しないでくださいよ。はい、しじみの味噌汁に鮭と卵を焼いたものです。」
「咲夜の卵焼きは甘くてうまいからな、ご飯どんぶりで頼む。」
「分かってますよ。」と良い匂いのまるで定食ような朝ごはんを食べるのだった。
「ごちそうさま。うまかった咲夜。」
「それで昨日のあいつらは今どこに居るんだ?」
「それぞれの持ち場に着いたはずだよ。多分君の「"異変"」レーダーも鳴るんじゃないかな。」
「なんかのフラグか?、武器は何を使えば良いんだ?」
「武器は得意の刀とかナイフとか銃はさすがに不味いから使わないでね。いちよこの"世界"では平和な世界のつもりだから銃なんて使ったら大変なことになるよ。」
「なるほど、分かった。確認だけだ咲夜は家で待ってるんだよな?」
「それは君の働き次第だよ。まあ僕も咲夜には戦って欲しくないから家に居させるつもりだけど。」
「私もいざという時は貴方のもとに行きます。まあそれは滅多にないと思いますけど。」レーダーのが鳴り響き画面に場所が表示された。この辺りは昨日咲夜と二人で歩いた場所だった気がする。
「まあ、行ってくる。」
「貴方、気をつけて。」
「そうそう、君に限って死ぬとかはないと思うけど油断は命取りだよ。」
「分かってるよ。」とリリアナにも念を押されたので意識し、部屋に武器を取りに行き家を出る。
河川敷に着くと大きな大蛇がそこに居た。だいたい2m位の大きさ、横幅も大きい。しまいには頭に二本角があった。毒々しい色をしていた。
「うっわ、絶対お前毒もちじゃん。直撃したら死にそう。」まあ蛇型の攻撃手段は大抵噛みつく、締め付ける、毒ぐらいだ。でもやつの頭に生えている二本の角、少しいやな予感がする。
胸ポケットからナイフを取り出し、やつをそっと睨む。最初の攻撃にあわせパターンを覚える。見えるやつの攻撃する向き、手段が。
「最初はやはり噛みつきに来たか!」軽々とその攻撃を横に避け、頭部にナイフを刺す!
「かった!、固すぎるだろ。ナイフがこれじゃあすぐダメになる。」一旦後ろにさがる。
「やばいな、さすがに軽装備すぎた。」さらに胸ポケットからナイフを取り出し二刀流にする。異世界に居た時同じ蛇型と戦った時二本のナイフでギリギリ勝てた、だが今回は前回とわけが違う。
「まあ、良い。俺は早く帰って二度寝をするんだ!、邪魔するなら容赦しねぇ!」噛みつき、いいや突進だ。まさか頭部をお取りにして本命の尻尾の攻撃か。
頭部を二本のナイフで受け止めているがやはり尻尾がきた。まずいと思った刹那紫色の液体が俺めがけて発射されるのだった。
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