第13話 夢喰らう"愚者"と記憶 其の三
「やあ、おはよう咲妃。良く眠れた?」その声で目が覚める。重い瞼を開けるとリリアナの姿があった。なんだリリアナが私のベッドに居るだけか…。ん?寝ぼけているのかな、私はまだ夢を見ているのかな?布団に被さりまだ眠いのでもう一度瞳を閉じる。
「僕を見た後なんで二度寝しようとするの?あと夢じゃないから。」
「っえ、なんでリリアナがここに居るのよ?それに何でおはようなの?」
「それは咲妃がお寝坊さんだからだよ。君は昨日のお昼から今のずっと寝ていたんだよ。それより時計を見て。朝の七時君は学校があるでしょ。間に合わないよ。」私はベッドから起き上がり時刻を確認する。
「まさか、ね。本当に七時だ……。あれもしかして私以外皆出掛けてる?」
「そうだよ。寝坊した君を起こしてくれるお母さんも君の家族も今「"異変"」で出掛けているよ。」
「だからか…。さいやく、制服に着替えるからリリアナ部屋の外出て。」
「いや、同性なんだから部屋でる必要ないでしょ。まあいいやリビングに来て。軽い朝食用意するから。」とリリアナは立ち上がり部屋を出るので急いでパジャマから制服に着替える。リボンを結びいつも思うネクタイの方が良いな~と思いながらスカートを履き鞄を持ち、刀を腰にかけてリビングに向かう。
「はい、パン焼けたよ。咲妃、電車間に合うの?」リビングに着き、リリアナがパンを持ってきてくれるので椅子に座り食べ始める。
「まあ、走りば間に合うと思う。コーヒーも淹れてくれたんだね。ありがとう。」
「のんきに食べてる場合じゃないでしょ。ほら早く歯を磨いて学校行きな。」
「なんかお母さんみたいリリアナ。まあいいや。ごちそうさま。」私は洗面所に向かい歯を磨く。スマホを見て時刻は七時半、学校までは二十キロと結構遠い。私が住んでいるところは田舎なので変なことをしても大丈夫。磨き終りリビングに行く。
「それじゃ、私は学校行くね。起こしてくれてありがとう。」とリリアナのほっぺたにキスをして玄関に向かう。
「君はズルいな。まあいいや、咲妃気を付けてね。」リリアナの声に笑いながら靴に履き、玄関を開く。スマホで時刻を確認して玄関に鍵を閉める。そして大きく跳び屋根に登る。信号に引っ掛かると嫌だから屋根と屋根の間を走る!
「はぁ、朝から寝坊なんてさいやく……。」と気づけば学校が見え始めていた。私はジャンプをし屋根から降りる。鞄からスマホを取り出し時刻を見る。八字ちょうどで電車よしも早めに学校に着いた。
玄関に着き、靴から上履きに履き替え教室に向かう。廊下を歩いていると後ろから朱音の元気な声がした。
「おっはよう!、咲妃。」
後ろを振り替えるとそこには親友の二人が居た。一人目はこの元気な子、名は朱音。朱音は金髪、ツインテールの少しスカートが短めの見た目をしている。
そして二人目は朱音とは違い、おとなしい性格をしている翠だ。翠は黒髪のロングで朱音とは違いスカートも標準。
朱音も翠も「"異能"」はないけど「"怨念"」の事や私のことをよく知っている。幼い頃からの仲だ。そんな朱音と翠に私はいつも通り挨拶をする。
「おはよう、朱音、翠。」
「今日、咲妃寝坊したでしょ。髪の毛跳ねてるよ。アホ毛みたいなのが一本生えてるよ。」
「あっ、本当だ!。ツンツンしても跳ね返ってくる。」朱音は子犬のように私の周りを歩きアホ毛をいじる。
「もしかしてまた走ってきたの?」
「うん、昨日から寝てたら気付いたら朝になってた…、まあとりあえず教室に向かおう。」
「そうだね!」と私と朱音と翠は教室に向かうのだった。
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