第2話:種飛ばす西瓜に芽吹くボクの色

【ひとこと紹介】

★★★種飛ばす西瓜に芽吹くボクの色

季語:西瓜


【レビューコメント】

 飛ばした西瓜の種が、芽吹くこともある。しかし時期を考えれば、西瓜として美味しく成長することは難しい。ただそんな西瓜に求めるのは、全く違った価値観。勢いよく遠くに飛ばした種ほど、主人公の込めた想いは強く、それが背中を押してくれる。




【メモ書き】

 ジェンダーがテーマであるが、身近にはない問題なので、表現することに悩む。主義主張が強くなり過ぎるのでなく、些細な行動にスポットライトを。


 俳句としては、作中に登場する西瓜を季語にする。単に西瓜の「柄」や「種飛ばし」では類想句にしかならない。ただ飛ばした種が芽吹き、それに主人公の個性が反映されるとすれば、十分脱凡になるはず。


 それ以外に考えた句は、「黒揚羽に問ふ模様に秘めし謎」。黒揚羽には、黒いものに集まる習性があるという。動物の色には、身を護る役目や種族を存続させる為の本能があることが多いが、模様に意味はないようだ。触れることでしか雄や雌を知りることが出来ず、それが故に雄は雌の羽を傷付けてしまう。ただ人には分からない価値観や、見えている世界があるのかもしれない。


 作中には黒揚羽蝶は出てこないので、レビューとしては却下。ただ俳句としての展開や、考えさせられる世界観は多かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る