第5話 ギルド酒場で

 3人のDランクタグを冒険者ギルドに届けた、銀貨15枚を謝礼に貰った。


「アダン、ギルド酒場で昼飯にしないか?」

「外食もたまには良いね、ゴロツキ冒険者のお陰でお金しっかり有る、セインもそれで良い?」

「え? ご主人様? 私も食べて良いの?」

「ん? 奴隷ってご飯食べ無い?」

「残り物を一纏めにした物を食べていました」


 成る程、残飯食べさせられてたのか。

「セインも仲間だからしっかり食べて」

「……はい、ありがとうございますご主人様」

「僕はアダン、こっちはトーラ、名前を呼んで」

「はい、アダン様トーラ様」

「様は要らない」

「はい、アダン様」

「ま、その内直せば良いか」



 ギルド酒場でスープと焼き肉それにパンを注文、食べたけど美味しく無い。

 塩味だけの薄いスープ、獸臭がする焼き肉は塩を振っただけ、パンは食べる人が少ないのか硬くなってる。

 セインは美味しそうに笑顔で食べてるが、トーラは渋い顔になって来た。


 僕が8歳の時、いつも差し入れしてくれるトラおばさんにお礼のお返、トマとネギ玉でウサギ肉を煮込んだ自信作を持って行った。

「『アダンくん、絶対私の嫁にする!!』ってトーラが言ったっけ」

 僕はあの時からトーラの胃袋掴んだのか。物思いに耽ってると、トーラと目が合った。

「うん! 決めた!! 拠点の貸家探しに行くよ!」

「突然トーラらしい発言、3人だから宿屋より借家の方が安く付くね」



「おい! 女二人とイチャツキやがって! その小さいの俺によこせ!」


「ブロンズのガキども! シルバーに対する言い様があるだろ! 手足がくっついている内に失せろ!」

 あぁあ、又々トーラ喧嘩売ってる。


「おい! やめて置け、ゴンザさん達を奴隷落ちさせた奴だぞ!」

「………すいやせん姐さん」


「おい、待て」

 トーラ? 折角行き掛けたチンピラ呼び止めるなよ!

「お前達、チョッと跳んでみろ」

 チンピラ3人素直に跳んでる。

「ポケットのジャラジャラここに出せ」

 トーラ? また恐喝?

「結構持ってるな、迷惑料の没収と言いたいが、エール代銀貨3枚返してやる」

 不服そうに受け取るチンピラ。

「要らんのなら返さんぞ」

「……いえ、姐さん心尽くし、ありあとやんした!!」

 トーラ恐! 眼力で無理矢理お礼言わせてる。



 僕達の冒険者活動って、ゴロツキを奴隷商に売ったり、恐喝しかして無いぞ! これで良いのか?

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