第3話
「ということで、会ったらよろしく言っといてくれ」
とても爽やかな笑顔で、言われた。
もう妹達は呆然としてしまっている。
おじいちゃんは昔から突然だからな。そう言えば、進学の時も急に……
「あ!!」
私が突然大声を出したので、みんなが少し驚いてこちらを見る。
「おじいちゃん、わざとあの学校すすめたでしょ?」
私が進学先に迷っていた時に中高一貫の高校をすすめてきたので、特に行きたい高校もなかったし妹達もそこの中学に通っているのでそこに決めた。
「いやいや、そんなことはないぞ。」
少し視線を逸らして言われても説得力ないよ、おじいちゃん。なんとも白々しい。
絶対知っててすすめたな。
「まぁ会うかも分からんし、頭の片隅に置いてくれてれば良い。」
せめてもう少し早く知ってたら心の準備が出来たかもしれないのに、なんで入学式当日に言うのかな。まぁ、強制じゃないのなら、自ら進んで関わることはない。
「わかったよ。覚ええおくね。じゃあ話はこれで終わり?」
「あぁ、もう帰っても良いぞ。」
じゃあお言葉に甘えて、準備に帰らせて貰おう。
「それでは、失礼しました。」
妹達も一緒に退室するかと思ったら、立ち上がらずに座ったままだったので何か話があるのだろう。
少し気になるが、学校の準備がまだ終わっていないので、私は妹達を部屋に残して自分の部屋に向かった。
色々言われてまだ整理が付いていない部分もあったが、これからの高校生活は結構楽しみにしていたので、一抹の不安を覚えながらも準備を始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます