言葉が見えるようになる話
三月ひつじ
プロローグ
言葉って何だろう。
目には見えないものなのに、
心の奥、ずっと底の方で潜み、
溢れ出ては感情に絡みつく。
目には見えないものたちが私を埋めていく。
どこにも傷なんてないのに、痛みがあったり、苦しくもなったりする。
声にしてしまえば「そんなモノ」
そんなモノたちが私の中をどろりと這いまわる。
言葉ってなんで見えないのかな。
心って、なんで見えないのかな。
ああ、なんかもう、
—―いやだな。
消えてなくなってしまえばいいのに。
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