第4話


翌朝。

その日も前日と同じように寒い朝だった。

「はあーーー」

とわざと吐き出した息は真っ白い。

でも、大丈夫。

「うふふふ」

だって私にはホワイトベアから作ったコレがあるから!


「みんな、おはよう!」

にこやかに挨拶をする。

眠そうに振り返ってこちらを見た勇者ご一行は目を見開いた。


「わあ!温かそうなマントができましたね」

と魔女に白々しく拍手をされた。


他の三人は

「なんだよ、それ!」

「約束が違うでしょう!」

「それはマントとは言いませんよ!」


「「「着ぐるみってゆーんだよ!!!」」」

と声を揃えた。



知るか!寒いんだよ!

と言いたいのをグッとこらえた。


「頭の被り物がないから着ぐるみって言わないのよ。

それによく見て。肩のところ」

三人の前でしゃがみこんで指をさす。


毛皮の肩のところに今まで着ていたマントを縫い付けていた。


「ファー付きマントでしょ?」

「はあ?!確かにファーもマントも付いてるけど、背中にチャックがついてるのはマントって言わないよ!」

勇者が叫んだ。


「女子はこれをマントってゆーんだよ!な、魔女?」

「はい。ファー付きマントです」


まあ、マント付きの着ぐるみともいうけどね。むしろそっちの方が正しそうだけれども。

そんなことはどうでもいいんだ。

あったかいって、幸せ…。








おしまい

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冒険者の女の子が冬は寒いので労働環境の改善を要求する!っていう話 大町凛 @rin-O-machi

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