第22話 ほのぼのダンジョン運営
「うわっ。めっちゃレベル上がってる」
やるべきことも終わってようやくひと段落したことだし、ダンジョンの様子でも見ようかとコンソールを開いたらめちゃくちゃレベル上がってた。
ハジメ ダンジョンマスターLV10
DP125747
〈スキル〉
・ダンジョン作成/編成(第十階層まで作成可)
・ダンジョン内転移
・物質創造
・魔物強化/合成
・魔素還元 NEW
レベル3から一気に7レベルも上がった。これ多分、あの元帥のじいさんを捕まえてるからだよな……? DPがどう溜まっていくのかそこまで詳しくは知らないんだが、ダンジョン内部に入ってくる者が強ければ強いほどDPが増えるのはわかっている。それを考えるとあのじいさんて本当にとんでもない強さなんだな。レベルが10になって新しいスキルが増えている。【魔素還元】なんて字面だけじゃよくわからないな。
「作れる魔物部屋も増えてるな」
〈魔物部屋〉
・インプ ランクF
・ウィスプ ランクF
・ハウンド ランクE
・迷宮蜘蛛 ランクE
・スライム ランクF NEW
・スケルトン ランクE NEW
・グレムリン ランクD NEW
・ハイ・ハウンド ランクD NEW
・デビル ランクC NEW
スライムとスケルトンを新たに加え、今まで合成でしか作れなかった魔物がお手軽に召喚できるようになった。特にランクCのデビルとか即戦力じゃないか? その代わり設置に必要なDPは1000DPとかなり高い。
「罠部屋も増えてるなあ」
〈罠部屋〉
・燃焼の部屋
・氷結の部屋
・電撃の部屋
・突風の部屋
・水たまりの部屋
・落とし穴の部屋
・暗闇の部屋
・毒針の部屋
・麻痺針の部屋
・睡眠ガスの部屋
・弓矢の部屋
・落石の部屋
・鉄球の部屋
・魔法禁止の部屋
・○○しないと出られない部屋
・転移の部屋 NEW
・爆発の部屋 NEW
「うん、多い」
自由度が高いのはいいことだ。戦略の幅が広がるしな。転移の罠とかかなり悪用できそうだ。
「作れる階層は第十階層までか。レベルがそのまま階層になってるのかな。広さは……1キロ四方? えげつない広さになってきたな……」
レベルが上がるごとに一辺100メートルずつ増えていくらしい。全部に通路や部屋を敷き詰めていくと考えるとDPがいくらあっても足りないなこれ。部屋は少しずつ増やしていこうかな。
「さあてさて、腕がなりますな」
ゲーム脳の俺からしたらダンジョンマスターの仕事は楽しい。一日中ゲームしてても怒られない生活。何気に俺の夢が叶ってたりする。怠け者の俺がここまで働いてるんだから、天職なんだろうよ。
「ハジメ。またレベルが上がったのか?」
「おお、カーラ。めっちゃ上がったんだよ。レベル10だって」
「ほお! すごいではないか。この調子でどんどんダンジョンを強くしていけば、私の復活も近いな」
「あー。そう言えばお前弱体化してるんだっけ」
俺がこの世界に来た最初のころにそんなことを言っていた覚えがある。カーラの見た目は小、中学生くらいの少女だが、本来はもっと大人なんだとか。想像もできん。
「弱体化なんてものではないぞ。もはや私の力など残っていないに等しい。今の私ではあの元帥とやらといい勝負をするであろうな」
「……ん? お前今なんつった」
「私の力など残っていないに等しいと」
「いやいや、そうじゃなくて」
あのじいさんといい勝負? カーラが? こいつ本気で言ってんのか? 俺が訝しげな顔を浮かべていたのか、カーラがジト目で見てくる。
「お主は忘れておるのか知らんが、私は心を読めるんだからな」
「おっと、そうだったっけ」
「そうなのだ。まあ、読もうとすればだけどの。お主は全く私の強さを信じておらんようだな」
「戦ってるとこ見たことないし。でもそんなに強いとは知らなかった」
「ふん。だからといって私にばかり頼られても困るぞ。お主自身に強くなってもらわねば私の力はいつになっても戻らんからな」
「まあ、そんなつもりないよ。お前に戦いは似合わんし。うちでお菓子でも食って幸せに生きてるのがお前らしいよ」
「ん……うん。そうか」
ん? なんか顔赤くなってるな。どうしたんだか。
「熱でもあんのか? 邪神も風邪引くんだな」
「や、やめるのだ」
俺がカーラのおでこに手を当てようとすると、払いのけられる。なんだよ。人が心配してやってるのに。
「私は大丈夫なのだ! それより、ダンジョンの強化を続けるがいい。私の復活のため励めよ!」
カーラはそそくさとリビングに帰っていく。あいつ毎日アニメ見てるな。最近はとあるアニメの謎ダンスにハマっているらしく、ダンスの練習をしている。あの動きなんか違和感あんだよなあ。なんていうか、虫がひっくり返った動きみたいな。ある意味インパクトあって俺は好きだけどな。
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