第5話新スキル


 ー「目黒ダンジョン:一階層」ー


「戻ってきたな~。」


 初めてのダンジョン探索から一週間後再びダンジョンにやって来た彰悟は早速ジジを呼び出した。


「久しぶり、ジジ。」

「チチチ。」


 ジジを呼び出した彰悟は早速一階層を周り始めた。


「ジジ!蹴りを食らわせてやれ!」

「チッ!」


 前回のレベルアップからジジもスムーズにケイブバットを倒せるようになっていた。


「よし、もう一体ずつだったら簡単に倒せるな。」

「チチチ!」


 ケイブバットを解体するのも簡単にできる様になった彰悟。自身の成長に嬉しくなっているとジジが辺りを見回し、


「チチ!」


 と鋭い声をあげた。


「また来るんだな?」


 ジジが敵を見つけた合図だと気がついた彰悟がジジの後ろに行くと奥からケイブバットが二匹群れで現れた。


「「ギャギャギャ!」」

「二体同時か…良し!ジジ、まずは奴らを地面に落とせ!」

「チチチ!」


 彰悟から命令を受けたジジはケイブバットの攻撃を躱しながらケイブバットの一体に飛び乗り墜落させると落下中にもう一体に飛び乗るとそいつも落とした。


「ジジはそのままそいつを倒すんだ!」


 ジジは飛び乗ったケイブバットの落下を利用しながらケイブバットに蹴りを食らわせ手早く倒すともう一体が復活しきる前に仕留めきった。


「凄いぞジジ!もう二体いても安心だな!」


 前の探索ではギリギリだったケイブバットの群れを倒せた彰悟がジジを褒めていると毒オオムカデが現れた。


「ジジ、すまないが連戦だ!」

「チチチ!」

「ーーー!ーー!ーーー!」


 ケイブバットの血の匂いを嗅ぎ付けケイブバットを食べに来た毒オオムカデだったが死体の近くに彰悟達がいるのを確認すると彰悟達に威嚇をしてきた。


「立ち上がったせいで隙間に攻撃できないな。」


 図らずともジジが攻撃できない体勢になった毒オオムカデは口に毒を集中させると彰悟達に襲いかかった。


「ー!ーー!ーーーーー!」

「クソッ!すぐ頭上げるから中々ジジが攻撃出来ない!」


 今ではの毒オオムカデとは違い狭いのにあたまを上げるせいでどうしようも無くなっている中彰悟が毒オオムカデの来た理由を考え


「そうだ…このケイブバットを食べに来たなら…ジジ!一旦退こう!」

「チチ!」


 とジジに言うとケイブバットの死体から距離を取った。


「よし、ジジ。それじゃあまたちょっとしたらあそこに行こうか。そしたらヤツもケイブバットを食べるのに夢中になってるだろうからそこを狙おう。」

「チチ。」


 しばらくして彰悟達がふたたびケイブバットを倒した場所へ行くと毒オオムカデは必死にケイブバットを食べていた。


「食べてるな…ジジ行ってきてくれ!」


 彰悟に頼まれたジジはゆっくりと毒オオムカデに近付いていき、ある程度近付くと一気に毒オオムカデに向かっていき反応する前に弱点に爪撃を食らわせた。


「ーー!ー!…!、!」

「ナイス、ジジ!」 


 攻撃を食らった毒オオムカデはそのまま倒され先ほどのケイブバットと共に彰悟によってきれいに捌かれた。

 その後もケイブバットの群れや、普通に遭遇したり、倒した時の時の匂いに釣られた毒オオムカデを倒していきかなりの素材が手に入った。


「フゥー。かなり素材が集まったしレベルアップも一回したからもう帰るか。」

「チチ。」


 レベルが上がりレベル四になったジジは最早一階層では敵無しになっていた。


(今度は二階層に行くのも手かな~。ほかの開拓者は一日一階層が大体十階層まで続くってのに俺は二日で一階層。中々進まないな…。そうだ今回の探索でかなり素材が集まったから防具作って貰おう。)


 彰悟が帰りながら今後の予定を考えていると先を歩いていたジジが


「チチ!」


 と鳴いた。


「敵か!」


 一瞬で現実に引き戻された彰悟が前を見るとケイブバットが一体いた。


「ジジ!サクッとやってくれ!」

「チチチ!」


 今さらケイブバット一体でジジがどうこうされる訳もなくジジによってあっさりと倒されると


《レベルアップしました。スキル【デバフ付与】を獲得しました。》

《ジジがレベルアップしました。スキル【穴掘り】を獲得しました。》


 と声が聞こえて来た。


「やった!レベルアップだ!」


 一日に二回レベルがアップしたしたことに気がよくなった彰悟は今さっき倒したケイブバットを解体するとルンルンで「目黒ダンジョン」を後にするといらない素材を売却し家へ帰った。


「じゃあどんな感じになったのかと新スキルを見てみるか。出てこいジジ!」

「チチチ。」


 その日の夜、上がったレベルを確認するためにジジを召喚し鑑定をすると


 種族:

 ボーン・ラット

 名前:

 ジジ

 レベル:

 3→5

 数値:

 体力:10→15

 攻撃力:15→18

 素早さ:15→17

 魔力:0→0

 スキル:

 奇襲1 爪撃1 ジャンプ1 土魔法0 穴掘り1


 となっていた。


「かなり強くなったな。ジジは素早い戦闘職って感じだな。」

「チチ。」


 ジジを撫でながらジジのステータスを見た後ジジの新しいスキルを見ると


【穴掘り】

 穴を掘る行為に補正が入る。


 とだけ書かれていた。


「う~ん。元々砂漠に住んでるみたいだから利にかなってるっちゃかなってるけどスキルになるほどか?」


 余り強くなさそうなスキルだなと思いながら彰悟は自分のステータスを見た。


 名前:

 田中彰悟(たなかしょうご)

 職業:

 ネクロマンサー

 レベル:

 3→5

 数値:

 体力:12→14

 攻撃力:7→10

 素早さ:7→9

 魔力:15→20

 スキル:

 召喚1 従魔鑑定 デバフ付与1

 

「相変わらず低いステータスだな。」


 自分のステータスながら余りの低さに笑ってしまった彰悟だったが今回手に入れたスキルは当たりだった。


「このデバフ付与。仲間に状態異常を付与できるスキルらしいけどまだレベルが低いから今は毒と麻痺か…戦闘に参加できてる感があって嬉しい!」


 今まではジジに指示を出しているだけだったがこれからは戦闘に参加できる事に彰悟が嬉しさを爆発させていると


『お兄ちゃんうるさい。』


 ドア越しに妹である美鈴に怒られてしまい慌ててジジを戻すと学校の宿題をする彰悟であった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


【スキル獲得とスキルレベルについて】


 スキルは初めてのレベルアップ時に確定で獲得でき、残りはランダムである。一説ではそれまでに自身が求めた力が職業に適合したスキルとなって現れるとされている。

 スキルレベルはレベルに応じてスキルがより自由に使える様になり効果も高くなる。


【主人公情報】


 名前:

 田中彰悟(たなかしょうご)

 職業:

 ネクロマンサー

 レベル:

 3→5

 数値:

 体力:12→14

 攻撃力:7→10

 素早さ:7→9

 魔力:15→20

 スキル:

 召喚1 従魔鑑定 デバフ付与1


【従魔情報】

 種族:

 ボーン・ラット

 名前:

 ジジ

 レベル:

 3→5

 数値:

 体力:10→15

 攻撃力:15→18

 素早さ:15→17

 魔力:0→0

 スキル:

 奇襲1 爪撃1 ジャンプ1 土魔法0 穴掘り1


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新スキルの「デバフ付与」ですが沢山のコメントで意見をいただいた結果、「デバフ攻撃付与」に変更をしました。しばらくの間「デバフ付与」と書かれていますが後に「デバフ攻撃付与」となります。

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