第3話

「お母さん!変じゃないっ!?」



朝食を食べ終わると、キッチンで洗い物をするお母さんの元へ。


そして、制服姿のままその場でくるりと回る。



「変じゃない、変じゃない。だから、早く行ってきなさい」


「はーい!」



元気よく返事をすると、わたしはリビングの隅にある棚の前に向かった。



「どう?なっちゃん。似合ってる?」



春の心地よい陽が差し込む棚に飾られているのは、1枚の写真。


写真には、笑顔で微笑む制服姿の女の子が写っている。



この人の名前は、広瀬夏美なつみ


わたしのお母さん、広瀬千春ちはるの実の妹。



わたしは、親しみを込めて『なっちゃん』と呼んでいる。



――だけど。


なっちゃんはもう…この世にはいない。



ちょうどわたしが生まれる頃に、病気で亡くなってしまったんだそう。

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