第2話

壱中に入学できるのは嬉しいけど――。


…眠気にはなかなか勝てないっ。




「朝ごはんもできてるから、さっさと食べちゃいなさい」


「…は〜いっ」



わたしは眠たい目を擦りながら、ようやく布団から出る。



あれだけ眠たくてだらたらしていたのに、新しい制服に袖を通して、鏡の前に立つと――。



「…あっ。中学生だ…」



思わず、そんな当たり前の言葉が口を突いて出てきた。


見慣れないセーラー服姿が、ちょっと恥ずかしかったり。



こげ茶の革製のスクールバッグも肩にかけてみたら、ちょっぴり大人っぽく見える自分が鏡に映っている。


そんな姿を見たら、さっきまでの眠気は一瞬にして吹き飛んだ。



洗面所へ行き顔を洗い、ミディアムヘアの髪をくしで整える。


そして、ダイニングテーブルの上に用意されていたトーストを頬張る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る