余命2ヶ月の俺の青春

長濱こうき(元作家を目指す浪人生)

第1話きっといつかこれがいろんな手に渡り感動を共有してくれることだろう

ある病院で、俺は最後の遺作となる小説を書いていた。パソコンを打つための体力はなくて、携帯に殴り書き状態だが。そして俺のベッドの横には見目麗しい一人の少女がいる。そう芸能人にもなれそうなくらいの美少女だ。俺の最後の遺作となる小説のメインヒロインだ。この少女とはとある立て看板に興味を牽かれ、神社の鳥居を潜ったら、出会った。


最初はこの少女を中震として周りが絵のように感じ、絵画のような衝撃を感じたものだ。、まぁそれからいろんな所に出掛けて、いろんなことをしてきて、青春をおくった。まぁ悪くない人生だと思ったのもこの少女がいたからだ。


「おぇ」


「大丈夫!結月くん!」


俺はどこにでもあるような袋に嘔吐した。そろそろ限界が近づいているらしい。自分の体だから、死期はいつなのか分かる。ここでラノベだったら、そのまんま異世界転生でも起こるだろうが、残念ながらここは現実だ。このまんま浮遊霊になるか、あるかも分からない天国に行くくらいだ。まぁその前にこの小説嵩は完成させておきたい。これが最後で最高の傑作になると俺は確信してるからだ。これが俺の生きた証になる。


思えば波瀾万丈の人生だった。ひかると話しては嫉妬されて、嫌がらせをされたり、両親が亡くなり、お金の無心をする親戚がいたり、妹だけを引き取ろうと下劣な感情向ける親戚の男から、妹を守って引き取らせないように貯金を見せて、生活できることを証明したり、そして若くして癌になったことである。


だが最後にこんな青春を送りたかったなと言う青春ができたので、人生としては満足だ。まぁ童貞で死ぬのは多少の心残りだがな。本当に多少だよ?ユヅキウソツカナイ。


こんな下らないことを考えられるってことはまだ多少の余裕は残っているみたいだ。


「ねる最後までありがとな」


するとねるは柔和な笑顔を浮かべて、俺のてを優しく握った。何回も握ってきたが、やっぱり柔らかくて安心感がでてくる。


「結月くんといろんなことをしたお陰で、色んなことを知れたし、楽しかったよ。それにまだ最後じゃないでしょ?この遺作を完成してから、それを言ってね」


「そうだな、これを完成させてから、旅立たないとな」


俺はねるの頭を撫でた後、再び執筆活動を没頭した。これが最後で最高の傑作になると信じながら。


それから一週間ほどが経ち、なんとか3巻分完成させることができた。これは病院に入院している間、親身にねるが支えてくれたお陰だろう。それと久しぶりにこの人連絡するな。思えば編集者である鼎さんには無茶振りを結構されたが、俺が書いた作品はどれも面白いと、営業をかけたお陰で、俺の書いた小説が売れたのも理由のひとつだろうな。だから恩人とも言える。まぁその人に最後に見せる姿が生きてるか分からないのは恩知らずかもしれないが。そして鼎さんにラインをした。


すると数分で、既読がついて、返信が返ってきた。あの人暇なのかよ。いや激務の中でも俺の安否を気にしていたのかもしれない。俺は誰にも知られてない親の遺産のアパートに住んでいたしな。あっちからしたら、急にいなくなったからな。病気のことも伝えてないし。


『そこにいるなら、早く連絡寄越しなさいよね。今すぐ行くわよ』


仕事をほっぽおいて、わざわざ東京から来るみたいだ。本当に悪いことをしたかもな。結月反省。そう思っていると、書き終わった安心からか、緊張の糸が解けて、意識が朦朧としてきた。


「ねる最後にこのデータをここに来た女性に渡してくれ。その人が編集者なはずだからな。名前は鼎さんと言うんだが」


そしてひかるや冬優花には意識があるうちに感謝と申し訳なかったというラインを送った。これで心残りはない。


「げほげほ」


ああ、なにか神様が申し訳なさそうに佇んでいるな。まぁ元々俺は神様が見える人間だから、驚きはしない。このタイミングで病院に現れたってことはいよいよ死期が近づいているってことだろう。


「これは何があっても渡すよ。渡しと結月くんの思い出の作品でもあるからね」


「実写化されたら、是非ねるにこのヒロインの役をやってもらいたいものだな。そしたら天国から見てるからな」


「うん、絶対にこの役の座は渡さないよ。例えひかるちゃんでもね」


「そうか、それなら安心して、逝けるな」


すると心拍数が低下する音が鳴る。この音を聴きながら、俺は段々と視界がぼやけるのを感じる。


「ねるそんな顔するな。笑顔で見送ってくれるんだろう?」


「うんごめんね、やっぱりいなくなっちゃうと思うと、悲しくなっちゃって、よし最後に私からのプレゼントを授けるよ」


そう言って、ねるは俺の唇にキスをしてきた。どうやら最後の希望は叶ったようだ。これで本当に心残りがなくなった。


「これはもちろん初めてだからね?これからも結月くん以外とはしないよ。例えそいう役があっても断るしね」

 

「それはアイドルで女優になるやつができるのか?嬉しいがな。それじゃあな」


色々な思い出が思い浮かぶ。どれも大切で、楽しい思い出だ。


「うん愛してるよ。来世でもきっと会って、また青春をしようね。そして結婚をしよう!」


「ああ、そうだな。ねる愛してるぞ」


そこで俺の意識は途絶えた。そして神様のほうに自然に魂が向かっていた。そして自分の体を浮きながら見る。


「悪い。本当は死なせる予定がなかったんじゃが、一人の神がお気に入りが死んだからといって神の特権を使って、蘇らせたせいで、適当に誰かを死なせなきゃいけなくなって、番号を引いたら、お主だったんじゃ」


「大丈夫ですよ。死ぬ予定がなければ、こんなに楽しい青春を送ることはなかったんですし」


それから、俺は神様と話しながら、俺の人生を振り返っていた。





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余命2ヶ月の俺の青春 長濱こうき(元作家を目指す浪人生) @Ronisei

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