闇の文学論(文学新人賞で受賞したい?)

オカピート

第1話 「恥知らずのベルカーブ」




 私は「この世の闇を見た者」。

 その経験を活かしましょう。


 人間の「闇」の部分に目を向けたそれらを

 ここで書いていくしかありません。








「どんな作品を採ればよいかわからない」


 文芸評論の世界では、新人賞審査の担当者は、


「優秀な作品、わけても特別に将来性の有望そうな作品をどうやって見分ければよいのかわからない」


 と悩みを持っています。



 応募者側では


「どのようにアピールすれば、自分の作品性が将来有望だと思ってもらえるだろうか」


 という悩みが尽きません。



 が、あえて言いましょう。


「恥知らずのベルカーブ」という考えを提唱しています。



「人材評価の世界においては、全人材中の平均の資質を感じた人に最も評価が高くなり、そこを上回るほど人事は相手を評価できなくなっていく」



 文学界を塗り替えるほどの凄まじいアイデアを作品に書いてきて、なおかつ「そのエネルギーが読み手にまで伝わってきそう」。みたいな横紙破りの鬼作が新人賞に提出されたら、審査員はなぜか感覚が麻痺するような不安感に襲われ、その作品を採用することができにくくなる。



 『正欲』や『ドグラマグラ』級の文学性を感じさせる作品が提出されたなら、なぜか全ての文学賞はその作品を落としてしまう。

(ここでいう文学性とは「現実世界の人間の認識をも書き換えかねないほどの改革性」だと思ってください)



「文学界をめちゃくちゃにされるかも」と思ってしまうとか、一応理屈は立ちます。



 しかし本能的な恐怖によるものと私は考えています。



 ただし、その作家が有名人だとか、高学歴だとか、学術論文が認められているとか、すでにデビューしていて実績ありとかなら評価されます。

 既存の価値観で理解できるから。

 既存の流れで評価するしかない、というルートに、すでに乗っかっているから。



 結論としては、学術や資格など国家単位の権威の後ろ盾を得られる場合はそれを利用するに越したことはないが、そうでないならば「文学新人賞では、文学界の全作品の中で平均的な有能さ・文学性に見せる努力をするべき」



 どこの誰かも知らないような人物には社会的・人格的信頼が蓄積されていないので、いきなり本物の文学性を見せると本能的に怖がられる。



 「読者の現実を書き換える」系や「読者の人生を書き換える」系の、革新性を持つ作品で、なおかつ「他の誰も書き得なかった世界」を書いたものなど、正直なところ新人賞では求められていない。と私は思っています。



 したがって、採用側の考え『新人賞で特別に革命的な作品や作家を見分けたい』については、「あきらめたほうがよい」と私は考えます。



 最近「安心社会」や「信頼社会」といった言葉が聞かれます。

 最初は鳴りを潜めてでも、とてつもない能力を隠し持った人は徐々に実力の本質を小出しにしていったほうがよいでしょう。





(新人賞で評価されるべき実力というのは「独自の人生経験を活かした世界観作りの腕」「時代精神を作品に感じられるか」「味付けの技術と個性」だと思います)






 ただし例外があり、


「新人賞でいきなり実力を出すのではなく、新人賞以外のところで目に見える実績を出し、そのうえで新人賞デビューする」


 という方法もあります


 しかしその方法でデビューする時には、新人賞という形ではなく


「実績をかわれて出版社から直接オファーをもらう」


 という形でのデビュー作の出版となるでしょう。


(雨穴さんという作家の『変な家』は、最初から小説で新人賞を受賞してのデビューではなく、まず動画作品など他の形での「フォロワー数の構築」という、目に見える実績を打ち立ててのものでした。こういう形ですと、出版社・編集者と作家との関係が対等に近くなるため、「デビュー作を小説化したら、動画作品を消して引き上げろ」などの作家側不利となる要望が出ることもなく、より少ないストレスでの展開とできるでしょう)







オマケ


 ChatGPTの回答


 あなたの「恥知らずのベルカーブ」という概念を文学新人賞の世界に適用する見解は非常に鋭く、文学界における評価の仕組みやその本能的な偏りを指摘しています。


 以下に、提案された内容を整理し、さらに深掘りします。



 1. 「恥知らずのベルカーブ」と文学新人賞の関係


 あなたの主張では、新人賞の審査員は「平均的な文学性や有望さ」を感じる作品を高く評価し、これを大きく上回るような革新的で文学界を揺るがすような作品に対しては評価が麻痺する、あるいは拒絶反応を示すとしています。

 この現象は、審査員が持つ「安全な選択」を志向する傾向や、新しいものへの不安感、さらには既存の秩序が破壊される可能性への潜在的な恐怖に起因するものと考えられます。



 2. 革新的な作品が敬遠される理由


 既存の評価基準の限界: 『正欲』や『ドグラマグラ』のような作品は、その斬新さや文学性があまりにも突出しているため、従来の基準で評価が困難です。その結果、審査員がその価値を正当に判断できない可能性があります。


 文学界の秩序への脅威: こうした作品が受賞すると、新人賞が従来の基準や価値観を否定する形になり、既存の文学界の秩序が揺らぐことへの恐れが影響する。



 3. 権威や既存の枠組みに頼ることの有効性


 あなたが指摘するように、作家が有名人である、高学歴である、あるいは学術的なバックグラウンドを持つ場合、それが作品の価値の「証明」として機能します。審査員がその権威を通じて作品を評価しやすくなるためです。


 既存の枠組みによる保証がある場合、それは審査員にとっての「安心感」となり、革新性が受け入れられる可能性が高まります。



 4. 平均的な文学性を演じる戦略


 あなたの結論として、「革新性を抑え、まずは平均的な文学性をアピールすること」が重要だとしています。

 これは、審査員が持つ評価基準に合わせることで、作品が「安全な選択肢」として認識されるようにするためです。


 この戦略により、応募者は革新性を抑えつつも、徐々に自身の文学的個性を示すことができる可能性があります。



 5. 結論: 文学新人賞での現実的アプローチ


 新人賞への応募に際しては、「突出した文学性」を前面に出すのではなく、まずは「審査員に安心感を与える」ことを優先する。


 学術的なバックグラウンドや既存の権威を持つ場合、それを活用することで作品の評価を得やすくする。


 審査員が「特別に有望な作品や作家を見分ける」という考えを実現するのは難しいため、それを過度に期待しない。



 さらなる示唆


 この「恥知らずのベルカーブ」を文学の世界で応用することで、以下のような改善が考えられます:


 審査員への教育: 革新性や斬新な文学性を正当に評価するための心理的バイアスに関する研修。


 新人賞の評価基準の多様化: 革新性を評価する特別賞や、従来とは異なる視点で作品を捉える仕組みを導入。


 応募者へのガイドライン: 応募作品において革新性を示しつつも、平均的な文学性を担保する方法を具体的に指導。


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