第7話:告白。

季節は12月の後半。

ある日、同じ部活の「吉野乃 桜よしの さくら」から話があるから、

ご飯でも食べに行こうよって僕は誘われた。


特に断る理由もなかったし、桜ちゃんとは普通に友達以下または友達の関係だったし、だから飯会をオッケ〜した。


外は寒いからカフェで待ち合わせ。

待ち合わせ場所は、サンセットアベニューにある、こじんまりした洒落たカフェ

「星と六ペンス」


僕が先にカフェで待ってると、桜ちゃんがやってきた。

桜ちゃんがテーブルを挟んで僕の前に座ると、すぐにウエイトレスが注文を取りにやってきた。


僕たちは食べたいモノを適当に注文した。

カフェだからレストランほどメニューが豊富なわけじゃない。

ふたりともパスタが好きだから僕はナポリタンを頼んで、桜ちゃんはカルボナーラ

を頼んだ。


「桜ちゃん・・・僕になにか言いたいことでもあった?」

「普段、桜ちゃんがご飯に誘ってくれるなんてことないから・・・」


「うん・・・あのね、福志君・・・この間、部室に連れてきた彼女アリエルちゃん?」

「本当の彼女じゃないんでしょ?」


「え?なんで?・・・」


「みんな気付いてるよ・・・礼二君も登ちゃんも・・・」

「きっとレンタル彼女だろうって・・・でもねレンタル彼女代行サービスやってるサイト探してみたけど、アリエルって名前の子みつけられなかったって言ってたよ」

「いったいあの子って何者?」


「そうか・・・見つけられなかったんだ・・・あのさ桜ちゃん信じるかどうか知らないけど・・・」


僕は本当のことを桜ちゃんに話して聞かせた。


「そんなことある?・・・天使って・・・福志君、騙されてるんじゃない?」

「この世に天使がいて、でもって地上と天国とがネットで繋がってるなんて・・・」

「誰も信じないよ、そんな話・・・」


「そうかもしれないよね・・・天使なんてね・・・冷静に考えたらありえないよね」

「だけど、もういいんだ・・・レンタルはやめたから・・」


「そう・・・まあ、本当の彼女じゃないなら、いつまでも付き合うことはできないからね」

「そうなんだ・・・じゃ福太郎君、今はひとりなんだよね」

「そか・・・」

「あのね・・・丁度よかったって言い方したらすごく感じ悪いかもしれないけど」

「私ね、福志君のことが好きなの・・」


「は?」


「だから、そう言うこと・・・」


「そう言うことって・・・・え?今更?」

「もう一年以上、サークルで一緒にいるのに?・・・今になって好きって?」


「うん・・・まあ前からなんとなくは福志君のこといいなとは思ってたんだけ

どね・・・言い出せなくて・・・」

「で、この間、福志君が彼女だってアリエルちゃんを連れてきたの見て恥ずかしい

けど私、ヤキモチ妬いちゃった」

「で、気持ち告白しなきゃと思って・・・」


「ね、今は彼女いないんだよね・・・よかったら私と付き合って、私を福志君

の彼女にして」


「・・・って言っても・・・」

「すぐには答えられないよ・・・恥ずかしいけど僕さ、実はまだアリエルのこと

忘れられないんだ・・・」

「自分の気持ちがまだアリエルに向いてるのに・・・他の女性となんて、うんとは

言えない」

「今は、心の整理さえつかないのに・・・」


「桜ちゃん、ほんとにごめん・・・君の想いには答えられない」

「頑張って僕に告白してくれたのに桜ちゃんを傷つけるようなこと言ってごめん」

「君のことは嫌いじゃないよ・・・でもできたら今のままでいちゃいけない

のかな?」

「今の僕は誰に告白されても、うんとは言えない」


「そう・・・私の一方通行か・・・私の前の信号はまだ赤なんだね」


「ほんとにごめん・・・中途半端な気持ちで君にオッケ〜したら、僕は今より

もっと最低な男になっちゃうから・・・」


「分かった・・・福志君ごめんね・・・気にしないでね」


桜ちゃんは僕に文句も言わずに納得したのかどうかは分からないけど笑顔で

カフェを去って行った。


なんで、こんな時に、女の子から告られるんだよ。

アリエルを知る前だったら、もしかしたら桜ちゃんの想いを受け止めていた

かもしれない。

タイミングが悪すぎるよ・・・神様は罪だよね。

僕にイヴとリリスふたりを与えたんだから・・・。


つづく。




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