二転三転、どうなるのだろうと先が気になってならない作品でした。
さやかは隣に住む瑠璃子という女性に心を奪われ、「推し」と認定する。
恋人などのように、対等で特別な関係になることは求めない。あくまでも崇めるような対象として、ただ見守って憧れていようとする。
そんなさやかの前に、瑠璃子の勤めるネイルサロンの社長エリカが現れる。エリカが無理矢理に瑠璃子を自分のものにしようとしているのを知り、さやかは怒りを燃やす。
その先の展開が、とても秀逸でした。
さやか視点から、次の瑠璃子視点へ。そうして見えてくる「裏の構図」。
こんな風にベクトルが向いて、こんな風に人物同士が絡み合っていたのかと、その人間関係の奇妙さにひたすら感嘆。そして「これは一体、どんなラストを迎えるんだ?」ともう夢中になって読み進めました。
ひねりのきいたサイコサスペンス。ガラリと変わるイメージ構図。ミステリー好き、サスペンス好きなら思わずニヤリとする演出に、とても心を満たされました。