第08話 咲楽子先輩と令和の米騒動(5)

「それじゃなっちゃん、急ぐからこれで。バタつかせてごめんね」


 ──バタンッ!


 嵐のように現れて去っていった咲楽子さん。

 一・五合に気づいていたのかいなかったのか、聞けずじまい。

 わかっているのは、わたしの夕食がカレーのルーのみになったってこと──。

 よく「なになにでごはん三杯いけます」なんて言うけれど。

 いま目に焼きつけた咲楽子さんの幸せ映像で、カレールーを食べることってできるのかな……。

 アハハハハ……。

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