第45話

「シンッ!!逃げなさい!!」




喜田川さんーー。



焦ってこっちに来ようとしている喜田川さんが見えます。



けれど、間に合いそうにありません。



喜田川さんの言葉に答えることは出来ず、あたしは来るべき衝撃に備えます。



と言っても、体を丸めギュッと目を閉じるくらいなの

ですが……。


























「ヤレヤレ、思った以上に無謀な娘のようだねぇ」



「!?」




突然耳元で声がしたかと思ったら、身体がフワリと宙に浮く感覚。



そしてあたしは衝撃波に吹き飛ばされることはなく…



俗に言う“お姫様抱っこ”で助けられました。



とてもカッコイイ男の人に……




















ではなく




「ふぉっ!?」




美少女戦士の仮面を被った人に。




変態さんですかね……?


この学校の制服を着てますが…変態さんですかね?



大事なことなので2回言いましたが。




「いいえ、ヒーローです」




考えを読まれて言われます。




「ヒロインでなく?」



「ヒーローです」



















衝撃波のあたった講堂がまたしても大きく揺れました。



とととと、とりあえず、変態さんかどうかは置いておいて。




「助かりました。ありがとうございます。ヒーロー」




お礼を言うと




「良いんだよ。女のコを助けるのはヒーローの役目だからね」




美少女戦士の仮面をつけたまま、イケメンなことを言われました。



本来なら、キュンの場面なのでしょうが……。



しませんでした。

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