第43話

「皆さん、伏せてっ!!」




絶叫し、側にいた柚乃ちゃんを抱き込み一緒に伏せます。



喜田川さんはっ



伏せた先で見ると先生と保健医さん、2人を庇うように伏せていました。



流石です。




「はっ!?な」



「何を……」




先生方はそれに反応出来ず




「がぁあああっ!!!!」




「うわぁああっ!?」



「きゃぁあああっ!?」




男の人が雄叫びを上げた次の瞬間、伏せたあたし達の上を先生方と壁のような風が吹き抜けていきました。



なんと言えばいいんでしょう!?




「ハァアッ!?衝撃波だとぉっ!?」




おおっ!!


おおっ、それですよ!!



やっぱりあたしの言葉に伏せてくれていた碇さんが叫ぶ。




「さっき講堂を揺らしたのもコレか」




伏せるまではせず、しゃがんでいた長谷川さんが言います。




「なるほど!!」




間違いないでしょう。




ドンッ!!ドンッ!!




「ぐっ?!」



「ああっ?!」




衝撃波で飛ばされた先生方が壁に激突。




大変です!!




「柚乃ちゃん、逃げて」




あたしはそれだけ言うと、柚乃ちゃんから離れ先生方の方へ。




「シンッ!!どうして!?どうして“GUARD”は来ないのよ!?」



「言っただろ、見張ってんだよ」



「見張ってるってなんのために!?そのために怪我人が出てもいいと!?」



「今はそんなことを言い合ってる場合じゃねえだろ。やっぱり俺の出番だなっ!!」




長谷川さんと柚乃ちゃんが言い合う中、碇さんが男の人の前へ。




「碇さんっ!!」



「おいっ、お前っ何が目的か知ら」



「がぁあああっ!!」





碇さんが話し始めるも、男の人はそれに全く聞く耳を持たず、またしても雄叫びを上げました。



衝撃波がっっ。




「碇さん!!」



「いけませんっ!!シンッ!!逃げなさいっ!!」




喜田川さんの声がします。



がっ。



ごめんなさいっ。


ごめんなさい!!



その言葉は聞けません!!



碇さんは昨日、あたしを助けてくれました!!



今日も「守る」と言ってくれました!!



こんな灰かぶりの、なんの力もない“星”を持つあたしを。



だから今度はあたしの番です!!

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