第4話 元カノと今カノ

わたしは警察署に届いた手紙から想い人である山田武(やまだたける)が監禁されているとわかる。


そして武を監禁したのは武の元カノである妃であるとわかる。


わたしはその妃に呼ばれて向かった場所には武がベッドで寝かされていた。


手錠でベッドに繋がれた状態で


わたしは手錠を解こうとしたのだがそのとき妃が後ろからカツンカツンというわざとらしく音をならしてやってくる。


「やあ今カノ君久しぶりだね」


「ええ久しぶりですね元カノさん返してもらいに来ましたよあとまだ今カノじゃないです」


「まだということは将来的にはなるつもりなのかな?」


「そんなことはどうでも良いでしょう」


「いやいや結構重要なことだと思うけど」


「どうでも良いですだって今重要なのはあなたを逮捕することだけですから」


「あははまあ確かにその通りださてそれでどうする」


そういってわたしの元に走ってくる妃を相手にわたしは応戦する。


妃と争っている途中で武が目を覚ました。


武が起き上がろうとしたら手錠があって起き上がれず頭が?だらけになっているのが端から見てもわかった。


わたしは武に端的に説明をして手錠を解く。


ちなみに右手で手錠をいじりながら左手で妃と応戦していた。


武がベッドから起き上がる。


「ありがとう桜」


武が妃と向き合う。


「よおひどいじゃねえか意外と手錠って痛いんだぜ」


「うーんもっと痛いことをするつもりだったんだけどなあ」


「なにする気だったんだよ」


「さてね」


「こわっ」


「あははかわいい」


「可愛くねえよ」


武がわたしの方を見たと思ったらこんな質問をしてきた。


「なあなんでこの場所がわかったんだ」


「えっと山田武の身元を預かった返してほしければこの場所に来いという紙をもらいまして」


「やっぱりそうか」


「やっぱりって?」


「いやな俺が眠る前に桜が最後に話していた言葉が終わらせるんだよだった」


わたしはその発言を聞いてなんとなく武が言いたいことがわかった。


「もしかして自爆する予定だった?」


「それか俺たち2人に捕まえてもらう予定だった」


「あはは正解だよやっぱり僕の彼氏は頭が良いね」


「そりゃどうも」


「それでどうする?」


「おまえがどうしてそうなりたいのかはわからないが俺たちがやることは1つだ」


「へえどうするの」


武の言葉の途中で妃が攻撃を仕掛けてくる。


わたしは武の言葉を引き継ぎこうことばにした。


「あなたを止めることです」


ちなみに結果としては妃を止めることに成功しわたしたちはつかの間の平穏を掴むことが出来た。


牢屋にて


僕妃桜は壁にもたれかけ天井のシミを数えながら今までのことを振り返っていた。


わたしを拾ってくれた人が教えてくれた技術が人を傷つけるための技術だったこと


わたしを捨てたと思っていた両親はわたしを拾ってくれた人が殺したこと


なにも信じられなくなったわたしは警察に逃げながら世界と戦った話


その中で1人の男に正体がバレたと考えか男に近づいたがその男はわたしの正体に気がついていないどころかわたしを助けようとしてきたこと


その男に少しずつ心の氷を解かされたこと


わたしが正体を明かしたあとも他の凶悪犯を捕まえるためにあの男と協力をしたこともあった。


他の凶悪犯にはめられたことで死の危険に陥ったときも彼はわたしを助けようとした。


わたしは笑ったよ。


どこまでこの男はバカなんだ。


なんでわたしを助けようとする。


そう思ったがこの男と一緒に居続けたわたしには分かっていた。


この男が誰かを助ける理由なんて困っているから以外にない。


そしてそんな彼をわたしは好きになっていた。


誰かのためにじぶんの命なんてどうでも良いなんて思っていそうな危うさを


どんな状況でも打破できると思えてしまう彼の強さを


おちゃらけて良い意味で大人らしくない彼の性格を


それでいて大人としてしっかりと決めてくれる頼りがいのある彼の性格を


わたしは好きになっていたんだ。


なんでこんなことになってしまったのだろうか


最初からかと結論を出したわたしはただ目をつむった。


俺たちは元カノとの決着も終え対面した。


俺はじぶんの気持ちを伝えた。


「好きだ。


俺は渚のことをじぶんの子どものように思えていた。


だから俺は君の気持ちに気付いていながら否定していた。


だがそれが逃げだと今なら分かる。


俺はただ桜に裏切られたことで人を心の底では疑うようになっていたんだ。


それでも俺は人を信じたいと思いよりいっそう人を助けるという行為が多くなったがな」


その言葉を聞いた渚は俺の言葉に遠回しに答える。


「わたし言いましたよねあなたが30歳になったら結婚してくださいって


もう30歳になりましたよねだから結婚しましょうよ」


山田武と柊渚の物語はこうして終わった。


それぞれの本心を伝え気持ちを通じ合いやがて恋人になる。


そんなハッピーエンドな結末


それが俺たちの物語だ。


だが少しだけ続きがある。

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