闇夜に一条の光を

夢月みつき

第1詩「傷口」

 泣けない、泣けない。

 私は悲しくても、こころが傷つけられてもあの人達の前では泣けないのだ。


 泣けば、怒ればあの人達が私を責める。

 だから、私はいつも笑って、なんにも感じていないふりをしてやり過ごす


 そして陰で深く傷ついたこころは泣いて

 心からは絶えず、新しく付けられた傷口から、血を流している。


 古い傷口は膿んで、傷薬が追い付かない。

 普段は優しい人だから、優しい愛情のある人だからそれは自覚している。

 

 しかし、そんなごまかしの言葉は、いつまで自分の心と体を騙せるのだろう。


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