第14話 ヒロインレース義妹しか勝たんw
――――【麗目線】
起き上がったにも拘わらず、また
いえ、一瞬だったから私の勘違いだったかもしれない。のほほんとしながら私にデバフを掛けてくるなんて、この子できる……。とにかく私に二度も膝をつかせるなんて、さすが隼人の妹だけあることは認めてあげるわ。
「大丈夫ですか? どこか身体が……」
「だ、大丈夫……お水をもらえるかしら」
「はい」
輝美! 今からあなたは私の
遠くからだけど、隼人と輝美のやり取りを見ているとただの兄妹とは考えられないくらい輝美は隼人に想いを寄せていた。
あくまで女の勘だけど……。
私は盗聴器をテーブルの下に隠すことすら忘れ、輝美のことを探っていた。
「ちょっと輝美さんに訊きたいんだけど」
「はい、なんでしょう? 水谷先輩」
「麗で良いわ」
「分かりました、麗先輩」
「あなた……隼人のことが好きでしょ」
「はい、自慢の兄ですから」
「そういうことじゃなくて……」
「もしかして恋愛という意味でですか? 確かに兄さんは私のことなんて何とも思ってないかもしれません。でも私と兄さんは同居かつ同級生ですから」
くっ、意外とマウントを取ってくる。
ぽやぽやしてる子だけど、やはり恋は女を強くするんだわ。
輝美が本当にルーナかどうか、私はかまを掛けてみる。
「その簾みたいな容姿で本気で言っているの? はあ、信じられない……」
「確かに私は人前に顔を晒せるほど自信はないです。でも私には武器があります」
やはり私の見間違いだった?
でも武器って何なの?
そう思っていると輝美は着ていたダボダボのパーカーのファスナーを下ろしてゆくと……。
お、大きい……。
何を食べたらそんなに肥大化するのか知りたいくらいたわわに実ったメロン。本当に輝美が一年生なのか疑わしい。
はっ! 何か詰め物をして膨らませているんじゃ……。
「輝美! 男の子は騙せても私は騙せませんよ、さっさと偽乳だと白状すれば手荒な真似は……」
ふにっふにっ。
えっ?
輝美の乳房を鷲掴みすると手が吸い込まれるような手触りに驚いて、言葉が出ない。
「嘘……でしょ。ホンモノのわけが……」
「信じていただけましたか? 他の人から偽乳だとか詐乳だとか思われてもまったく気になりません。ただ兄さんからそう思われるのは辛いです」
「そ、そんな駄肉で隼人が騙されると思っているの? いくら乳房が大きいからって、隼人があなたみたいな女と付き合うと思って?」
「私は兄さんを独り占めにしたいなんて思ってません。兄さんから優しく声を掛けられるだけでしあわせなんです」
「そんなこと言って! 私から隼人を奪う……」
怪我しないよう輝美の乳房に手をやりながらソファに押し倒したときだった。
私の瞳は美しい二つの宝石を見つめていた……。
「ルーナ……」
輝美ともみ合っている内に彼女の目元を覆っていた鬱陶しい髪が振り払われる。ミンスタグラムに突如として現れた謎の
「ル、ルーナなんて知りません……」
輝美は顔を背け、否定するがむしろ虹彩異色の子なんて滅多いないのだから、これほど下手な嘘もない。
それに悔しいけど、下手なアイドルよりアイドルらしい目鼻立ちに麗は二の句が継げなくなる。
「嘘……でしょ……。なんでそんなかわいいのに目元を隠すのよ、反則じゃないこと? 私を
「そんな……私は自信がないだけで、麗先輩を欺くつもりなんてないです」
エロ垢で汚れの私と穢れとは皆無のキラキラしたルーナ……。
「じゃあ、どういうことなのか説明してくださらない?」
「わ、分かりました……」
――――【隼人目線】
スーパーでスキムミルクを買い、他にもテマキが欲しがりそうな物を選び、帰ろうとしたときだった。
フード付きコートに眼鏡を掛けた身なりの人物がキョロキョロと周りを見ている。フードからは金髪が覗いていた。
余りにも挙動不審だ。
不審人物は駅前のオタクの聖地的総合ショップのマロンブックスへ入ってゆく。通常の書籍も扱っているが、特徴的なのが同人誌やPCソフトにフィギュアまで扱っている。
あの子……柊セイラだよな?
ギャルとオタクの聖地というまったく交わることのない場所なのに。
彼女も『ピュアキス』のヒロインの一人だった。
―――――――――あとがき――――――――――
麗パイセン、輝美にフルボッコにされてしまってるじゃないですかw
『ピュアキス』では勝ちヒロインだったけど、中の人転生後は負けヒロインルートか!?
もう隼人に尽くしまくるしかないよね、とお思いの読者さまはフォロー、ご評価お願いいたします。
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