一ヶ月後。


「こんにちは、明石崎さん。発注たくさんいただいてありがとうございます。今期の新商品、ご紹介に参りました」


 ただの同級生として訪れる二条さんは、驚くことに、黒髪に眼鏡になっていた。


「二条さん、髪型変えたんですか」


「あ……ええと、髪染めて維持するのって、大変で。コンタクトも毎日面倒だったので。楽な方に流されました」


 私のためだと言っていた髪型は変わり、コンタクトは眼鏡に戻っていた。

 困ったように笑う彼をつい眺めてしまう。


 黒髪で、眼鏡で、優しくて、穏やかな印象だ。

 大学三年の終わりに、春休みに実家に帰ってくると言うから、電車に乗る前まで見送った姿だ。

 帽子や制服はメーカーさんのものだけれど、この地味な人が好きだったと、見たかった顔に久しぶりに出会えた気がして、思い出が湧き上がってくる。


「新製品のパンフレットお渡ししておきますね。何かお客さまに説明しづらかったこととか、聞きたいこととか、ありますか」


「え、ああ。じゃあチェーンソーについて聞きたいんですけど、お客様に聞かれても説明しきれなくて。ええと、型番なんだったかな。売り場に来てもらえますか」


 お願いすると付いて来てくれた二条さんに、商品を伝えて、丁寧に説明を受ける。わかりやすかったので、感心して頷いた。やはりメーカーさんの担当として営業回りしているだけはあった。


「助かります。今度聞かれたらそう伝えます」


「ぜひお願いします」


 笑顔の彼は未練も見せず、普通の同級生として接してくれた。

 私の好きなアイドルに似せていた面影は、もはやない。


 黒髪で、眼鏡で、猫背は治っているけれど、どこかオタクっぽい。

 かつてなんとなく好きになって、なんとなく一緒にいると思っていた、自然体の彼だった。


 久しぶりに会えた気がして、私がまたじっと彼の顔に目を向けていると、お互いに見つめあっていた。

 どうして振ったんだっけ、なんて、先月のやりとりすら忘れて、まじまじと穴が開くほど見つめる。


 ハヤタは割と内気で、友達相手だとよく笑うのに、私相手だと緊張して笑わなくて、携帯ゲームを一緒にやって、初めて笑顔を見せてくれた。


『明石崎さん、このゲーム得意って言ってなかった? 初心者の動きしてたけど』


『心構えだけは玄人なの。せっかくだし、キャラネームで呼んでよ。気分出るから』


『芽依? あ、右のドラゴン行くね。じゃあ芽依はサポートよろしく』


『はーい。ちなみにキャラネーム、私の下の名前だからね。覚えてね』


 やり込んでるはずのハヤタの動きがおかしくなって、倒されていた。

 本人を見ると真っ赤になっていて、うぶだなあ、なんて笑った。私が「ハヤタ」って呼び捨てで呼んだらますます困ったようにしていたけれど、芽依さん、なんて呼び直していた。まだその頃は呼び捨てでなんて、彼は呼べなかった。


 同じ講義をとって、課題で一緒に苦悩して、得意なところを教え合った。

 彼が気になり始めたのは、一年の後期の集合回路の授業だった。

 ハンダ付けなんて細かい作業が必要な必修科目だった。

 私はどうにもこれが苦手で、早々と終わった友達は次の講義があるから見送って、居残っていた。


 ハヤタは得意だったらしく、教授に新しい課題をもらって、男友達とさらに魔改造していた。

 何度も何度もハンダを吸い取ってやり直している私に気付いて「不器用」などとはやす男どもに内心舌打ちしていると、ハヤタが見に来たのだ。


『明石崎さん、ずっと同じところやってない?』


『ああもう、また別の場所に付いた。ハンダ苦手ー。大盛りで出したら教授怒って突き返してくるし、終わる気しないぃ』


『コツ教えてあげるよ。貸して』


 正直本気で困っていたので、憎き一団の男ではあるが任せたら、私の代わりに回路に向かい合ったハヤタは丁寧に細かい作業をこなしている。私の宿敵を、ちょん、ちょん、と軽い動きで綺麗に付けていた。


『……上手だね』


『高校とか、先生によく遊ばせてもらってたから。こう、構えてるところを、ちょっとだけハンダで突く感じ?』


 実際に見せてもらった動きを真似て、ハヤタの指導のもと私もなんとか続けると、ちゃんとハンダは付いた。

 感動して、この時まだ名前も知らなかった彼が、手慣れてきたことに安心してまた男友達の元に戻ろうとするのを引き止めた。


『ありがとう、ええと、ごめん、名前覚えてないや、なんだっけ』


『二条です』


 ちょっと会釈して、用件が済んだら名前以外は言わない、女子にも慣れていないハヤタだった。

 オタクっぽくて、穏やかで、パッとしないし、私には決して笑わなかったけれど、男友達なら揶揄われるのに『困ってるのに放っておくの可哀想だよ』なんて笑いあう。

 知らなかったけれど、彼は優しい人なのか。

 にじょうくん、二条くん。京都出身?

 この時の気持ちがずっと尾を引いて、彼への興味になって、二年になったら彼のいそうな選択講義を狙って取ったりもした。


 告白して、デートもたくさんして、笑顔がよく見られるようになった頃には、お互いにそばにいるのが当たり前になっていた。

 なんとなく、ずっと一緒にいるんだろうな、と思っていたハヤタは、この姿だった。


 春はお花見、夏は海。

 秋は紅葉狩り、冬はクリスマス。

 どの季節にも一緒にいて、彼と一緒に笑い合って、呼びかけるときには、この顔を見上げていた。


「……こっちの方が似合いますか」


「うん」


 素直に肯定すると、悲しそうに目を細めて、ちょっとだけ視線を外したハヤタが、閉じた。

 私のために茶髪になって、勝手に違うと思われて、遠ざけられて。

 自然消滅を選んだ私を知らなくて、四年も待っていて、傷つけられた。


 私が悪かったし、今でもそう思うし。

 むしろ、今は、もっと。


「二条さん」


「……はい、なんでしょう」


 ハヤタが息を吐いて、少しばかり潤むような瞳を隠すように帽子を下げた。

 彼の会社の製品を手にして、見つめる。


「今度棚作ろうと思ってるんですけど、手伝いに来ません?」


「あ、……いいですね、展示販売ですか。いっぱい発注してもらえるなら」


「いや、ええと、うちの棚。私の家で、本棚」


 固まっている。

 それはそうだ。前回別れた時も、家を知られたくないだろうから、と駅で別れてくれたのだ。

 ハヤタもようやく意味を理解して、困ったように唇を震わせて、少し頭を下げた。


「明石崎さん、流石にそれは」


「ただの同級生を誘ってるので。大学の同期に、うちに遊びにおいでよ、ってことで」


「……流石に、ひどいな、って。ようやく吹っ切れたから、もう、そういうのは」


 困ったような彼をじっと見上げる。

 辛そうな顔に、確かに申し訳なく思う。


 勝手に始まらせて、勝手に終わらせた、彼との恋だった。

 二年の秋、突然の告白にとりあえずOKしてお付き合いした、学祭の日から始まって。

 四年になり、春休みを終えて戻ってきたら、突然疎遠になられた、あの日に止まっていた恋。

 社会人になって三年が経ち、ようやく先月私と話が出来て、突き放された理由を知って、関係は終わりを迎えた。

 すでに傷つききって、それでも失恋から立ち直ろうとしている彼が、まるで何もなかったかのように私が自宅に誘うのを、悲しい顔で拒むのは当然だ。


「じゃあちょっとだけ。ひどい話なんですけど、聞いてもらえますか」


「……はい」


「黒髪に眼鏡の二条さんは、すごく好きで、いいなって思ってます。またプライベートでお話ししませんか」


 ハヤタが目を丸くした。

 こいつは本当にひどい女だと自分でも思うのだが、好きなものは好きだとときめいて、私も困って、ハヤタの袖を引いた。

 黒髪で、眼鏡で、優しくて、穏やかで。

 大学三年の終わり際、春休みは実家に帰ってくると電車に乗る前まで見送った姿に、やっぱりなぜか惹かれる気持ちが蘇って、見つめる。


 なんとなく、好き。

 なんとなく、そばにいたい。


 諦められずに苦しむくらいなら、むしろ諦めて欲しくない。

 わがままでも見つめる瞳から、優しいハヤタは困ったように目を逸らしているけれど、回り込んでやった。


 どこまでも優しくて、一緒にいるのが楽しくて、生まれた地域も全然違うから、それがまた違いがあって面白くて。

 ハヤタに笑ってもらえるのが好きだった。


 もちろん四年も振り回されたのに、きちんと身を引いたハヤタだ。昨今事件が多いが、そんなことを微塵も感じさせないような優しい男だ。親に顛末を話したらひどく怒られたが、ハヤタが私に何かするなんて考えもしなかった。


 そんな彼を前にして、私は残酷な畜生ではあるが、また少しだけ。

 ……あれ、やっぱり自然体のハヤタなら好きだったんじゃないかな、なんて。

 残念ながら、再び追いかけたくなってしまって、彼の袖を引いた。


 目を丸くした二条さんが、泣きそうにまた顔を歪めて、力が抜けたように売り場に座った。私も座って、顔を覗き込んだ。


「本当にひどい話で、困ってます。

 ……明石崎さんは、今度は俺が振ったら、この辛い気持ち、わかってくれる?」


 なるほど、今度はハヤタに振られてしまえば、私も思い通りにならない気持ちを体感出来るだろう。

 でも。


「ごめん、ハヤタ。流石にまだ生まれたての片思いだし、そこまではわからないかも」


 がっかりしたように項垂れてしまった。

 だって、それは一度彼への恋を勝手に終わらせてしまって、早四年が経っている私には、きっとどうやったって、わからない。


 やっぱり駄目だったか、仕方ないな、って思うことは出来るだろうけれど。

 心の底から恋をして、失ったことに思わず泣き出してしまうほどの彼のような感情は、残念ながら、もはや遠いと思う。


 でも。

 失いたくないと、不思議と思ってしまったのも、事実で。

 振ったけれど、やっぱり大好きだと思う人が、二度と会わないと思っていたのに、目の前にいるのも、事実で。


「ひどい話なんですけれど、もう一回始めたいとも思ってしまいまして。

 どうですか、またお休み合わせてお話しませんか」


 きっとハヤタは、今言わなければ、来月には来なくなるだろう。

 元彼女のところに営業に行かされるのが辛いとなれば『逆に優位に使って良い条件を引き出してこい』と言うような我が社ではなく、おホワイト様はきっと配置転換でもしてくれるだろう。

 それに、ハヤタは「転勤が多かった」と言っていた。

 私も「三日後には他県に異動ね」なんて、よくある話だ。人員もそのうち補充が来る。

 もう手をつけておかなければと、せっかちな私は手を伸ばし、また引く。


 ハヤタは辛そうに唇を噛んで、俯いている。

 ……なんとなく好きだった彼が、いつしかもっと好きになっていたように。

 ひどく振った元彼ではあるけれど、やっぱり好きだな、また付き合いたいな、なんて、残酷にも思ってしまうくらい、まだ彼に好意を寄せる気持ちは湧くのだから。

 また私が追いかけて、お付き合いできるように努力して。

 新しい関係を築くのも、いいと。

 勝手に振って、勝手に復縁を迫る、ド畜生な私は思ってしまうわけで。


「私は彼氏いないんですけど、二条さんはもしかして、もう彼女できました?」


「そんなの、一ヶ月で出来るわけないです」


「じゃあ私はどうですか。優先的に棚に御社商品も乗せますし、売りますよ」


 もはや参ったように頭を抱えるハヤタに接する。


「もう嫌だ、泣きそう」


「じゃあ素直に受け入れてよ。流されてみない?」


 口角を上げるのは得意になっている。クレームを受けてもある程度折れない心は身につけている。


「明石崎さん」


「近い場所に住む同級生として、今度一緒に遊びに行かない、二条くん」


 押してやると、昔から私の押しに弱いハヤタはまた溜め息を吐いている。


「明石崎さん。振った相手にまた関係チラつかせるの、本当にひどいって」


「振ったけど、もう一回復縁したいなって思っちゃったらしょうがなくない?

 どうせ次こないでしょ、二条くん。今言わないと、今度は私がフェードアウトされちゃうんでしょ?」


 ちょっと口を閉じているのだから、やはりそのつもりだったのだろう。

 最後の別れと思って直接話して、転勤したとでもメッセージを送れば、私はそれ以上、追いかけられない。

 私が自然消滅を狙ったように、今度は彼が私の前から消えるように去るのだ。


「まだ未練があるのなら、復縁しよ?

 ……二条くん、私と、付き合ってください」


 前回はお化け屋敷で、今回は職場の売り場。

 それでもちゃんと伝えると、二条さんはますます弱ったような顔をして、考えた。


「髪とコンタクト次第で、また気分も変わるのに?」


 自嘲するような、困ったような顔に、頷く。


「今度はもう、そうやってちゃんと言うから安心して。忘れてたら言って。自然消滅ももうしないって約束するから」


 悪いところがあれば、直す。

 小指を出して指切りの仕草をすると、考えた二条さんに、小指を押し込む。


「ずっと好きだった人に振られて、またアプローチされる俺の気持ち、考えて」


「じゃあ素直に受け取ってほしいな。まだこんなにひどい私のことを少しでも好きでいてくれてるのなら、受け入れてくれれば楽になると思うよ?」


 ハヤタが悩んで渋るのも当然だ。

 あの日、ハヤタを泣かせたのは私で、振ったのも私だ。

 知っているのに、立ち直って好きな姿になった彼にまた恋心を持ってしまった、なんて。

 これはやっぱり、ひどい話なのもわかっている。


 彼の前に座ると、手を取った。

 ちょっと驚いたような手を握った。

 指を握り合わせて、恋人繋ぎにしてみる。

 昔はよくやったけれど、指が痛くなるから短時間しか嫌だと私が離して、笑われた。


 今、ハヤタはまた、嫌がらずに、握ったままにさせてくれる。

 手のひらが触れ合うのが暖かくて心地よくて、全く嫌じゃない。


「虫のいいこと言ってるのはわかってるけど、やっぱりハヤタが好きだって感じたから。付き合いたい。だめ?」


 黒髪になった。

 眼鏡に戻した。

 ただそれだけの変化なのに、また、なんとなく好きだと感じる人だった。


 優しくて、気を遣ってくれて、おとなしくて少し気弱で。

 押しに弱くて、元彼女に言い寄られても断りも出来ずに、まんまと追い込まれている。


 ハヤタは悩んで、やっぱり頭を抱えている。

 押してやれ、と、私は彼の指を握る手に力を込めた。


「またハヤタを好きになっちゃった。付き合ってください。

 悩むなら、私の家で棚作ろう。発注して運び込んであるから。ね?

 今度は友達からでもいいよ。友達でも、それくらい手伝ってくれるでしょ?」


 まだ少しだけでも好きでいてくれるのなら、やり直したい。

 その願いを込めて、俯いているような彼の目を見つめる。


「もう一回、ハヤタを本気で、好きになっちゃったから。信じて」


 なんとなく好きで、なんとなく付き合って、なんとなく嫌になって別れたけど。

 お付き合いした記憶もあるし、私をどれだけ思ってくれていたのかもわかったし、今度はもっと、彼を好きな気持ちで始められる気がする。


「フェードアウトもしないし、嫌なところはちゃんと言うし、伝えるから。またお付き合いしませんか」


 ゆびきりげんまん、で約束する。

 神様、仏様、もう二度とあのような悪行は致しません。

 今度はハヤタを大切にするので、力を貸してください。


 ハヤタは小指を出してじっと見つめてくる元彼女を相手に、少し考えて、悩んで、頭を抱えて、私をまた見た。


「……約束出来る?」


 希望の糸が垂れて来たので、私はもちろん地獄の亡者のように群がった。


「するする。まだ少しでも好きなら、お願い」


 押しに弱いハヤタに、ぐいぐいと指を押し付ける。

 じっと見つめていると、彼は悩みに悩みきって、震える指で、私に手を差し出して。

 そっと、小指を触れ合わせて、やがて。


「嘘ついたら、……俺がまた針千本飲むような気持ちになるのだけ、覚えておいてほしい」


 ハヤタは指を絡めて、上下に動かした。

 四年も想っていた彼女にまたアプローチされることに、耐えきれず。

 ひどい人だけれど、やっぱりそれでも好きだったんだと、後日教えてくれた。


 最後に髪をまた黒に染め戻して、眼鏡に変えて、平然と会ってみて。

 やっぱり私はもう終わった関係だと平気でいて、気持ちに踏ん切りが付いたら、先輩にうちの担当を代わってもらおうと思っていたらしい。


 もう二度と会わないと思っていた芽依の望むように、もう二度と会わないように。

 連絡先も全部消して、同級生よりもちょっと遠い関係になろうと決意していたと、教えてくれた。


 私はこの日、間一髪、彼を繋ぎ止めたのだ。


「まだ芽依が好きだって、言っていいの?」


「もちろん。嬉しい」


 二度目の告白、二度目のお返事。

 一度味わったはずなのに、また彼に受け入れてもらえて、天にも登るような気持ちで笑った。


 つい指切りをしてしまったハヤタはまだ考えていたけれど、仕事の最中なので『また連絡します』と、なんとも言えない顔で立ち上がった。


「発注多めに入れて、特設展示作っておくね。またの来店お待ちしております」


「仕事に繋がって良かった」


 年中働いている私と違って、ハヤタはおホワイト様にお勤めなので、ちゃんと告白の時間も仕事に繋げておくと、彼も納得してくれた。

 私は昼休みだったので休憩室に戻ったが、浮かれて顔が戻らなかった。業者対応を昼休みに行うのも弊社では普通で良かった。

 夜にはなんと、メッセージが来ていた。嬉しくて、急いで開いた。


『棚作りたいって言ってたよね?

 また休み取るから教えて』


 会う約束が出来るのが嬉しくて、今度は木曜日を指定した。

 ハヤタはちゃんと、おやすみを取ってくれた。

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