狂おしいほどに演じることを目指した彼は狂人を演じることで、彼が本当に欲した場所を手に入れられたのかもしれない。境界線を超えた先には、彼にしか分からない幸せがあるのだろうと思う。
ホラー短編小説を書いています。心霊や怪異を絡めた、人が怖い話です。
かつて役者として人気があった主人公は、精神に異常をきたしている疑いがあるため精神病院に収容されている。個室の中で、彼はかつての栄光は忘れていないのか延々と様々な役を演じ続けている。まるで病室の中…続きを読む
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(739文字)
この物語の登場人物を、私は好きになれません。しかし、一人一人が「ミスキャスト」という舞台をつくっていく為に必要な役割を演じ切っており、大変興味を惹かれました。
80年代を舞台にある役者の過去と現在が交互に繰り広げられる…かつては役者として活躍していた主人公。しかし現在は精神病院の中であらゆる役を演じ続ける…主人公にとって何が現実なのか。虚構との境目が曖昧…続きを読む
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