7 感想へのアンサー
応募作品『AIの左手』|連休|小説
https://kakuyomu.jp/works/16818023214314530892/episodes/16818093092068963481
AIの左手/連休 への感想 #128|フィンディル|X経由 PIXIV FANBOX
https://x.com/tatitutetochips/status/1873383345662669002?t=tdJIxZ7Yca-nQJbQ1aUqDA&s=09
二度目となると、フィン感を開くのもスンナリ…………(当日は朝から仕事行っても何してても『今日……読めるのか……』『今日……読めるのか……』がエンドレスリピートの一日で)…………ちょっと心臓が、和太鼓テイストになったくらい。
※フィンディルさんの感想文章の引用は、【】で
では、いってみましょう!
【総合点:80/100 方角:北北西
非エンタメ的表現とエンタメ的表現が、互いの良さを妨げあっている作品。】うぉ……
【「K.618」へのフィン感からの流れを汲むと、これは「プロデューサー的な作り方」をあえてやめてみたがゆえの作品品質だろうと思います。】っ…………ヒョオ!
【「作品品質としての失敗」というデータを得ることに成功している】ぐはッッ!!
…………おぉ〜〜、そうかぁ、 失 敗 (釘付け)(現実を、現実を受け入れるんだ私)…………からの、 成 功 ……………………( ´∀`)??!? あ、あぁ…………うん、はい……はい…………わかった、気がする!(わかってない)
試行錯誤の結果としては失敗作だったけど、一例増えた実績にはなってるもんね! 失敗は成功のママ!(ママぁっっ、私今回心砕けないかな? 大丈夫?)(※作者はボケ倒すことで心を守る、反射ボケ反応が起きています)
前回の『K.618』フィン感より得た知見から、新規の執筆ルートを開発すべく、【「全体構成について考えるよりも、主人公の心情に肩入れする感覚で書いてみました」
については単純な話で、プロデューサー的な作り方をしないということだろうと思います。】そんな感じです。
【本作では単純に、そういう書き方をやめている。やめているというか、やめてみている。あれこれプロデュースするのをやめてみて、筆の向くままに文章と物語を連ねることを試してみている印象を受けました。やらないことを試している。
それでどういうふうな作品になるのかを観察しようとされている、そういう印象を受けます。
次に
「実験的なこともしてみた」
です。本作における「実験的なこと」とは何なのか。】この『実験的なこと』は、主人公
て書くと、『は? それだけ?(言うほど実験的なことではない)』てなりますよね。
書いてる時に、始め『僕』で書いてて、途中で『なんか違うな』と『私』に変えて、変えても途中でまた『僕』と西立が言っている時がある。(
という経緯から、過去僕、現在私に分かりやすく統一して、再修正しました。(数回修正したので、自分でもよくわからなくなっていて、実は投稿後も見直しでみつけて直してる)
『実験的なこともしてみた』なんて大層なこと書いて……単に、一人称がフラつくので、『フラつくままを採用したよ』がそれでした。(結局、整地修正しちゃったので、言うほど『実験的』でもなくなってしまった)
西立は、過去の自分から、過去の環境から逃げ出したはずなのに、結局過去……まぁ自分のお父さんですね……から離れることはできずに、むしろ、自分が好ましく思っていなかった父親に近付いていったのかもしれません。(現在の西立に過去僕が頻出していた現象が起こっていた原因)
西立や本作とは別に、親を嫌っていたとしても、子どもの自分からは成長モデルとして間近に見て育っていってるので(好き嫌いに
ここまで書いて、なんか私がキャラクターを人寄りで書くらしいのは、イマジナリーフレンドならぬ、現実に存在している人の感覚で西立とかを思い描いているからなのでしょうか? ……ちょっと(大分)気持ち悪いですね(作者)。
想像や
【単純に作品品質のみを比べるならフィンディルのなかでは「K.618」のほうが高評価です。】ですよね。
【ただそれは作品品質の話であって、「試してみたら失敗した」という結果を得られたこと自体に大きな意味があると思います。】まぁ、やってみないとわからない。失敗を三〇点集めたら白いお皿が貰えるんですよ。(白い知見のお皿の下には、試行錯誤のランチョマが敷いてある)(※ランチョンマット)
【そしてフィン感に応募してフィンディルの反応を見てみて、今回の実験について収穫を確定させたいと思われたのだろうと想像します。】(力強く、確信の)はい。
『K.618』フィン感へのアンサーでも書きましたが、私は感想文を書くことや、フィンディルさんのように『〇〇は△△ということですね』と成文化する能力は、極めて低いんですよ。(『無い』と言いたくない諦めの悪さ)
なので、フィンディルさんの【「作品品質としての失敗」というデータを得ることに成功している、について詳しくお話ししたいと思います。】がめちゃめちゃ欲しかった。この【詳しく】が、成文化できない私にとって、問題を可視可能にしてくれるものとなる。(字書きの皆様にフィン感をオススメしたい重要ポイントでもあるし、これを公開している意義でもある)
Q『連休という作者は、自分の問題点も把握できていないのか?』
A『そうだとも!』
箇条書きで、簡潔に、リスト化すらできないものを『解っている』とは言いたくないな。(まぁまぁな暴論)
フィン感の価値って、『フィン感を貰ったぞ! わぁ……すごーーい! 自分て……こうなんだ』て体験で終わりにするのではなく、フィンディルさんが洗い出してくれた箇所を、次作の留め置く注意ポイントとして活用すると、格段にアプデでき得る(かもしれない)……(並べてもらった)スイッチボタンを、押せるか、押せないのか……ってところまでショートカットされるので(自分で自分の改善すべきポイントを洗い出せる人は、知らん!)…………やる気スイッチの分布図ですよね、要は。(作者側から見るフィン感とは)
【「K.618」のほうが優れているとフィンディルが考えている理由は、非エンタメとエンタメの同居にあります。】…………(少しの不安とnow loading)
【・同一人物から独立して発生した二種の物語が並走する非エンタメ的要素
・最終的に両物語が巧みにリンクしてひとつの作品表現となるエンタメ要素
となるかなと考えます。発生の仕方は非エンタメ的なのですが、着地の仕方はエンタメ的。もしかしたら連休さんにも同様の感触がおありかもしれません。始まり方は非エンタメ的だったけど、終わり方はエンタメ的だったなと。】…………はい。
フィンディルさんがわかりやすく、序盤・中盤・終盤と分けて、私がやったこと(書いたもの)を『これは非エンタメ・エンタメの同居をやったんだね』……( ゚д゚)ハッ!……私は非エンタメ・エンタメの同居をやったのか……と言葉にされて、
終盤のオチまで書いてみて『なんかラストだけ毛色が違うな〜』が、フィンディルさんの言葉で、『そうだったのか!』と世界が見える。いや、部屋の明かり替えて、点けてもらった感じ。
そしてここから、フィンディルさんが非エンタメ・エンタメと親和性の高いもの、志向について書いてくれて、『K.618』『AIの左手』がどうであったかの分析が書かれています。
正直、私は(どの作品も)書いてる時に(今回に限らず)ほとんどは筆のおもむくまま書いてるだけで、推敲や手直しで方向性をなんとな〜く揃える向きはあっても、非エンタメ・エンタメのどちら寄りか? は全く考えておらず、バランス的にどうかな〜? 大丈夫そ〜? くらいしか考えていません。(フィンディルさんの明文化された文章を読んでいて、なんだか恥ずかしくなってくる)(多分その『なんとな〜く』や『どうかな〜?』が、バランスや構成なのかも)てゆーか、頭のどこかではモヤモヤと意識が働いて書いているのかもしれないけど、私の脳部屋の電気は、薄暗いのがデフォで………【本作は、「同一人物から二種とも発生する」は非エンタメと親和性が高いという基本に則っている作品であると考えます。】『はい、則りました!』とは素直に答えられないのであった。(残念な作者よのぅ)
【ここがとても非エンタメらしいなと感じています。
「主人公の生い立ち」は実父との確執を中心に描かれていますので、西立の幼少期の経験や記憶から発生しているといえます。
そして「AI搭載の左手」については西立が左手首より先を失ったことにより発生しているのですが、これは
―――――――――――――――――――
「糖尿病になりかけていたのを放っていたら、手に骨の癌が出来ていたんだ」
医者が嫌いだ。医者が嫌いな人ならわかるかもしれないが、私は具合が悪くなっても少しくらいなら我慢する方がマシなくらい、医者が嫌いなんだ。
―――――――――――――――――――
ということで幼少期の経験や記憶はあまり関係しないんですよね。】人生や個人を構築、構成している要素は、基本バラバラの寄せ集めで、振り返って見ると『本線はこれとあれとそれかもねぇ』と思えることはあっても(しかしこれでも人為的に繋いだ点と線)、人間はそんな整然としているものではない。と私は思っていて、これは非エンタメ的なようですね。
【基本的にエンタメは全ての要素がつながっていることを好みますので、そのキャラに関する全ての設定・描写を辿ると同じ根に行き着くことを良しとしやすい傾向があります。】これ。多分私が読み手側に回ると、【同根】の【大樹】みたいに『全ては繋がっているのね』、と安直に勝手に想像しがちなので解ります。(エンタメの受け取り方をしている)いざ自分が書き手側だと、人間への認識と創作物への期待が別物だから、比較的非エンタメ寄りになるのかもしれません。
【一応幼少期に痩せていた反動からか現在の西立は太っている(=糖尿病になりやすい)というのもあるので全く関係がないわけではありません。実父に顔面を殴られて奥歯が欠けたことで奥歯を使うことが苦手になった(≒咀嚼が苦手→満腹中枢を刺激しにくいので必要以上に量を食べてしまう)というのも関連性を見出すことは可能といえば可能です。】これ、とても面白い考察ですね。理に
私は、現在の西立が太っているのは、例え西立が食事ではない間食(おやつなど、空腹を満たす為ではないもの)であっても、西立自身は楽しみたくて食べているのに、無自覚に『早く食べ終えなくては』という意識が働いてしまい、満足感が得られないから、時間外にちょくちょく繰り返している結果かと。フィンディルさんも私も、アプローチが異なるだけで言ってることは同じですね。
新しい左手以降は、西立も平均体重へ戻っていくと思います。左手が話しかけたりすることで、食事時間自体もゆっくり取れるようになっていって、西立はいつの間にか普通に食事をできるようになるでしょう。自然な咀嚼もできるはずです。
【幼少期に実父から受けた暴力の影響で左手の動きが悪かったり痺れが残っていて年を重ねるにつれて悪化している、作家業を続けることも考慮して、左手を義手にする判断をした。】【満足に動かない左手を見るたびに実父とのわだかまりが蘇る、みたいな描写】は考えはしましたが、関連づけませんでした。作者としてよりかは、私が個人的に。
だって西立かわいそうじゃん! 左手見る度、何かの度に、好ましく思っていない父親思い出してたら辛かろう! と謎に作者権限ブン回して、リンクはさせませんでした…………
【やや飛躍した言い方をするなら、“左手”とは西立なのかもしれませんね。暴力を振るう振るわれるというだけでなく。】(ニンマリ)ほら! ほら〜〜、リンクさせなくて、〇〇だったじゃないですか!(何かしら回収できたニュアンスだけは読み手に投げたいが、いかんせん、私の語彙力が追っつかない大暴投。(解読班案件)
※ここら辺、私の不注意から(睡魔に負けて)スマホで書いてたアンサーの、四〇〇〇文字ちょっとを『選択→削除』の誤操作で失ってしまいました。(記憶を頼りに復元していますが…………完璧には\(^o^)/ムリ)
【フィンディルからのフィードバックを得ることが本作における実験の決着だろうと思いますので、本感想にはそれ相応の意義があるはずだとフィンディルは考えています。】
実験した人、連休。レポートにまとめてくれた人、フィンディルさん。(フィンディルさんのレポートを入手して、ほくそ笑む連休)
軽口はさておき、フィンディルさんに期待していたものは、しっかり還ってきました。
フィンディルさんの洗い出しと成文化(問題の可視化)、分析からの考察(自作の内視鏡所見的な感想の取得)、解釈(ここはもう本当に、作者が個人的にフィンディルさんの解釈を知りたい欲求が充たされる)…………得るものが多い。多いよ。(近所のスーパーで買い物しても、しょっぱい気持ちになる昨今、こんな場面でお得感満載を味わえるなんて思わないじゃん……)物量が凄い。凄いよ。内容が更に物凄い。(作品の作者だからこそ余計に、何故そこまで見通せるのかーーーー??!! てなる濃さ)(後何気に、フィンディルさんの文調が、感想内容と同じくらい懇切丁寧で、涙出そうになる)
※作者は二月から四月の現在に至る間、不調(風邪、長期に渡る右手の手荒れ)によりマトモに文章が書けなくなっていました。そこかしこに
『いや、なるって! 自作でフィン感もらったらなるって!』などと供述しており動機は不明。今後の公判が待たれます。では、識者の方に解説していただきましょう。
今何らかの理由から文章が書けなくなっている人にも、フィン感はオススメすることができます。
過去の最新作、心に留めている一作、そのどれかをフィンディルさんの感想依頼に応募してみる想像…………選択肢の一つに入れてみるのはいかがでしょう。実際の応募はハードルが高いかもしれないので、想像だけ。フォームをコピーしてきて、下書きしてみるとか。それだけでも、気分転換になると思います。(あ、もちろん元気に書けてる人にもオススメです)(この甘露は、一歩踏み出した者にしか味わえない至福なので)
【西立本人は“左手”のことを家族と思っているが、実際は物と思っており、この差異に西立本人は自覚的でない。
西立の“左手”に対する意識的な認識と本質的な認識には差があるという解釈を述べてきましたが、おそらく西立本人はそこに差があるという自覚はないだろうとフィンディルは考えています。
作中にそうとわかる叙述があるわけではないのでフィンディルの推測に過ぎませんが、おそらく西立にこの自覚はないと思います。】さ、作者も『自覚的ではなかった』……と言ったら……どう、する?
【自分が家族と思う人物に対して実父は、心がなくて気遣わなくていい対物コミュニケーションを行う。
自分が家族と思わない人物に対して実父は、心があって気遣うべき対人コミュニケーションを行う。】これはこう書いたというよりは、作者がモラハラ気質の人の言動パターンをモデルに西立父を描いていたら、キレイにパターン化表現されていただけのことですね。
【“左手”に許してもらうことで西立は実父との重なりから脱するわけですが、“左手”に許してもらうことも含めて物扱いという点で実父と重なっており、その多重性が本作の何ともいえないビターな終わり心地を醸しているような気がします。】連休作品群、多分ホワイトやマイルドミルクが多めだと作者は思っておりますが、ビターも、いい、よね? と。
作者は西立になって書いていただけで…………ここまでフィンディルさんのように、西立は左手を無自覚に物と見ていて、西立の父親は家族とゼロ距離過ぎて暴力に及んだり、内縁の妻と娘(彼女)への対応と西立と母親への対応が異なっていたのは見方がそもそも異なっていたから、という解釈に至る思考の確かな道筋…………なにこれ、プロファイリング? フィンディルさんの感想文章のクオリティ、ヤバ過ぎる。(そして私の語彙力の無さはどうにかならんのか)書いた私より、理路整然と整合性バッチリだなんて……やっぱ私、エッセイジャンル系統の文章書くの苦手だ。今回のアンサー文、品質がダメ過ぎる。(非常に残念な着地)
感想リクエストについて。
フィンディルさんへ出した質問、回答いただきました。私が書いた質問への回答を見て、あら、アッサリ…………読み進めていくと…………フィンディルさんが私の質問を最適化と言いますか、意訳してくれて、回答もどんどん詳細になっていく。そうそう、私が知りたかったの、多分こういうの! を答えて……応えてくれてる!
作中で『クリスマスの夕方』と新しい左手が西立へ届いた日を書いているので、そこからの裏取り推察から導き出される西立の左手への認識の解釈が、素晴らしい!!
普通にここの項目だけでも、読み物的な面白さがある回答です。ありがとうございました。想定以上に満足です。
細かいところについて。
校正、校閲、というのでしょうか。これを選んで依頼してみて、とても良かったです。作者の物知らずや誤用がバレてしまいますね。この項目見ながら『AIの左手』を修正したくなるけど、サンプル作品だし、このままにしておきます。
ドロップポイントナイフは、私がハンディナイフ好きで、なんとなく出してしまいました。まぁ、カッター辺りが、西立のペン立てか机の引出しに入ってそうですね。
茶封筒は、A4書類が入るサイズの方を想像して書いていました。段ボール箱でよかったですね。
八桁のナンバー錠、(ホラーゲーム好きな人には馴染み深いかな?)書き方がイマイチ不親切でした。
八桁の数字『25、12、30……24』は、25日12月3024年でした。裏設定で、左手の開発者が英語圏の博士だから、逆表記の日/月/年になる。海外は逆表記、と私が思い込んでて調べもせずに書いてしまい、わかりづらい数列になってしまいました。(検索してみたら、どうやら私がうろ覚えしてたのはイギリス式だったようです)
届いたばかりの左手の描写、確かに、不親切な描写ですね。
断面も、左手の断面と、西立の手首の断面は様相が異なりますものね。(作者だけ脳内映像見えて書いてるのに、描写が適切にできていませんでした)
【「売りつけて、送って寄越してきた」はさすがに意味が重なりすぎているかなと思います。「売りつけて」「送って」「寄越してきた」、この文脈においてはいずれもほぼ同じ意味であるように感じます。】ここ! ちょっと本気で気を付けようと思いました。
確かここ書いた時、漫画みたいにリズミカルに、三カット分の『売りつけて!』『送って!』『寄越した!』が一コマに入って見えていたので、そのまま書いてしまいましたw
私は文章も(絵を描く時みたいに)脳内映像を描写しているだけなので、文章変換するとニュアンスが微妙に変わる点に留意すべきなことがわかりました。
『笑ってしまう。私はもう左手を持って、触ってしまった。私は共犯だ。(高評価をつけたのに)』ここもですね〜
西立の独り言みたいな箇所。実際に口に出してはいないですが、喋り言葉まんま過ぎましたね。
『乾いた笑いが出そうになる。私はもう左手をベタベタと触ってしまったから、共犯にされても言い訳できない。(高評価をつけてやったのに)』な、なんか西立、やさぐれた?
【「今まで使っていた左義手はついに壊れてしまって生活がままならなくなったので、とりあえず新しい左義手を必要とした西立はオークションサイトで適当に新しい左義手を見つけて落札した」】ここから更に、何故オークション入手にしたかの読み解きが丁寧ですね。
【左義手なんて何でも良かった、これが作品上大事であると判断しているがゆえの構成だと。】多分、多くの読み手はサラーーっと読み流してしまうのかな〜〜と思ったら。さすがです。
【このあと西立は夢について独白しますが、そこの段差を緩やかにするステップのような役割をこの文章が果たしているのだろうと思います。】夢の中で子ども時代シーンを出すのは、夢と過去は相性良さそうだなと。西立が起きてる時に地の文で挟むと、読み手の目が滑りそう……かな? ってのと、ブランクルームスープのミーム動画は割と西立とビジュアルイメージが重なるんですよ。(と言われても、それは作者のイメージしているものなので、同意や共感を得られるかは不明)
【「どの深度に眠りがある時、人は夢を見るのだろう?」は純粋な疑問ではないはずです。純粋な疑問ならレム睡眠のときだよ~で終わる話ですから。】レム睡眠は、読んでて突っ込む人居るだろうなぁと。
【その深度の眠りはもうしたくないなという、西立のささやかな願いが込められているように思います。】フィンディルさんの解釈は優しいですね。
【私の父親は、女を殴る男だった。
ここの叙述は、とても大事だと思います。】【本当の実父は「家族を殴る男」なんですが、西立は「女を殴る男」だと思っている。】自分の立場が『子ども』で、親がモラハラDVだとどうなるか? 『ヒトデナシ』にも繋がりますが、近過ぎて狭過ぎて、客観視はできないんでよね。西立がテーブル(西立はテーブルかデスクかの区別をするようになってしまった。明らかなDVの弊害)を武器にジャンル分けしているのも、そのおかしさが西立には判別できない。さすがに大人になるにつれ気付きはするけど、刷り込みされた感覚はなかなか変えられない。だから、物理的にも(一人暮らしを始めてもテーブルを買わない)精神的にも(テーブルを見たくないから、外食へ行かない。加えて曲がった奥歯に食べ物が挟まるから、人前で
西立は子どもの頃、両親の言い合いが聞こえてくると、勉強机の下に潜り込んでいたのかもしれない。そこが屋内の安心できる場所だった可能性。
フィンディルさんが挙げてくれている箇所、こうした方が意味が通りやすい、伝わりやすいアドバイス……実用的で助かります。
【本作は()による補足によって解釈が複数パターン生まれてしまっているケースが多いように感じます。
それが良いといえるほどの作品方角ではない印象です。】()で注釈を直ぐ後ろに入れるのは、単に私の好みの位置ですが…………そうですね、本作では確かに、逆に読み手に迷いを与えてたかも。
【もしかして……物凄く良い買い物をしたかもしれない……そんな予感。浮足立つ感じ。
「浮足立つ」の本来の意味は「不安や恐怖を抱いて落ち着かなくなる」です。「期待に胸を膨らませてわくわくする」は本来は誤用です。】わ〜〜、これ私知りませんでした!(恥ずかし〜〜)
【「人間を……好き? 答えて。そう思う|少し思う|どちらでもない|少し思わない|そう思わない」
「少し思う」と「少し思わない」を対応させているのだと思いますが、「少し思わない」という言い回しに違和感を覚えました。】ここは、語感より視覚的な揃いの方を選んで、違和感を無視しました。【「そう思う」「ややそう思う」「どちらでもない」「あまりそう思わない」「そう思わない」などが無難かなと思います。】こちらの方が良いですね。
【「仕事を始めるよ」
ここの受け入れの早さはやはり印象的ですね。】もしかしたら、ここがいちばん、西立が左手を物扱いしているシーンだったりして?
【『出てみてください。聞こえるか試したい』
この「試したい」は、スマホを“左手”で持ったときに通話内容が“左手”に聞こえるかを試したいということだろうと思います。】フィンディルさん、前の持ち主で似た機会はなかったのか? 少し気になりましたか。
左手について、本作では詳しく書かないまま流している箇所ですね。
この左手はオークション経由で西立のもとへ来ていますが、元々は西立の為に造られたワンオフ品なんですよ。左手のAIには、西立の神経を介して、西立が左手に干渉許可を出せば、(キーボードとモニターなんかなくても)西立の発声器官で会話ができます。(
【そしてそれとは別に、“左手”は皮膚に侵食するタイプでありながら外すことも可能なんだなあと思いました。所有者が亡くなって初めて外せる、みたいなタイプかもしれませんが。】いや、外せません。
この左手は【「ハイドロキシアパタイト製の人工骨材は、ステンレス製の骨材とは異なり、徐々に本来の骨組織へ置換され、骨の再生を促していきます」(※短編『シェパード』より引用)】という感じのバイオマテリアルの左手なので、切断手術をしないと外せません。
本作で左手について詳細に書いていると、左手の話になってしまうので、読み手が『あれ?』『おや?』って
西立は、前の持ち主が他界したから左手が売りに出されたと思っていますが……【もし前の持ち主が“左手”を愛用していたら火葬の際に一緒に棺に入れるんじゃないかなあと想像しました。一緒に燃やしてあの世に持って行ってもらおうと。】そう、前の持ち主が本当に居たとしたら、左手はわざわざ外さずに、そうしているはずなんですよ。
読み手に『翻弄される左手』と思われたままでは少し気の毒な気もしてきて、前日譚で多少フォローをしました。(前日譚は、左手の話です)(たまたま両方読んでしまった人が、『あ!』ってなればいいくらいの短編なので、ナンバリングもしていません)
本作で、左手が西立に葬式に行ったことあるかと訊いて、一度だけと答えているのは左手の嘘です。
【少し気になったのですが、スマホに電話着信があったらまず発信者の番号を確認するんじゃないかと思います。
頻繁に電話着信がある人なら番号を見ずに出ることもあるかもしれませんが、西立は電話嫌いですからまず番号を見て自身の警戒レベルを決めるものなんじゃないかと想像します。確認せずに出るとは考えにくい。】ね〜
いや、もうほんと、ここはおっしゃる通り…………フィンディルさんの指摘で、『そういや、そうだ!』てなりました。(私も電話嫌いなのに、西立に矛盾した行動をさせてしまいました……)
【左手は形こそ似せて作られ、力こそあるが、それだけで、喪失を私に忘れるなと言い続けるものにしか見えなかった。
ここの「もの」に傍点があるのが少し印象的でした。】ひらがなの『もの』に傍点はやり過ぎかなぁ? と迷いましたが、『物には寿命があって』『人間の手の振りをした化け物』と続くので、つけることにしました。
左手が西立に駅弁をねだるとこ。
【それを察した“左手”が、“左手”なりに楽しいイベントを提案したんじゃないかとフィンディルは想像します。「帰ったらあれしましょう」みたいな感じ。
咀嚼が必要な食事を嫌う西立がそれを楽しめるかどうかは別ですが。ただ駅弁は美味しかったと言っていますし、楽しめると“左手”は判断したのかもしれません。】左手は西立の仕事を間近で見ていて、多分西立は、小説の題材に(意識的ではなくても)自分の過去に関連するモチーフの断片を使ってしまっているんですよ。そこへきて葬式なので、左手は西立に、何か全然別のことを持ち込みたくなったのでしょうね。
【私の溜め息に、左手は私のポケットへ潜り込んだ。
・「いいよ。面白い話じゃあなさそうだけど」】【“左手”のポケットへ潜りこむ動作がどういう意思表示なのかが私にはよくわかりませんでした。スマホを探そうとしたのでしょうか。】ここ、なくてもいいかなという気もしなくはないです。
なんかこう苦手なものの気配でピャッと隠れるニュアンスですね。駅弁のくだりだけだと、左手の可愛げが足りないかなって。
【「水玉急須と湯呑み茶碗の一揃いが置かれている」をわざわざ入れているのはすごくエンタメ的なのですが、それに対する西立の反応を入れていないのは非エンタメ的とまでは言いませんがちょっと抑制的だなあという印象です。】西立は、長机に置かれた水玉急須と湯呑み茶碗セットが見えているんですよね。でも、なんか怒ってるっぽい彼女に連れて来られて、ただ見ただけなんですよね。彼女に対して集中してしまっているから、『あれ? これはテーブルじゃないのか?』とか『ここに居たくないな』とかは感じてないんですよ。(読み手が感じているリンクほど、西立は感じていない)彼女との会話で
西立と彼女と彼女の母親については、フィンディルさんが書き出してくれたもので良い感じです…………作者より描写が優れていらっしゃる。
【彼女がいちばん会いたくないのは、私だろう? あんな酷い男の息子だぞ?
じゃあ何で内縁の妻と「彼女」は「あんな酷い男」と内縁関係にあるのか、に想像が及んでいないのが西立らしいなと思います。
「私の父親は、女を殴る男だった」にも共通していますが、西立にとって実父は絶対的に「酷い男」なんですよね。どの角度から見ても人間的に問題のある人物。誰が見ても「酷い男」と言いたくなるような人物。】ね〜〜
実際、西立はそう認識している方が楽……どころか本気でそう信じ込んでいると思いますよ。
【この文脈で「彼女がいちばん会いたくないのは、私だろう?」と西立が推測する意味がよくわかりませんでしたが、】西立は、父親が彼女にも暴力を振るっていたのでは?(或いは暴言)という懸念が本気であった。だから気まずくて、彼女とあまり会いたくなかった。(会いたくなかったのは、西立自身の方)西立にとっては、彼女から『母親を奪った、暴力的な男の息子』と見られている……と西立は思い込んでいる。(西立としては彼女に負い目すら感じている)
【開いた私の口から、左手の指先が私の前歯に触れた。私は……まるで別人のように語られる父親と、異質な左手に、逆鱗に触れられた。】だからこその逆鱗なんですよ。(逆鱗は、まぁ、私の誤用なんですが)西立には、彼女が何を言ってるか理解できないし、開いた口から歯にまで触れてきた左手が『何か言うべきだ』って急かしている気がして、西立にしてみれば、サッパリ解らないところへ、そんなことされたらキャパオーバーなんですよ。
【本文章では、自身(西立)の理解を大きく逸脱した実父の姿と“左手”の二つに心を荒らされたとしていますが、個人的にはここに「無遠慮無理解に自分と母親と実父について口出しをする女性」も付け加えたくなります。】加えたくなりましたかw
【「左手」と「持っていたもの」が同列にならないような書き方のほうが本作にはそぐうと思います。】香典返しはブチ撒けてもよかったですかね。
【ここを「……………………くそっ」にして無理に言語化していないところ、上手いと思います。】まぁ、西立、そうなるよねと。
【子どもの頃に欲しかった手が、僕の頭をやさしく触っている。私はもう一度、左手に唇を寄せて、戻ろうと言った。
ここでどうして西立は葬式場に戻る判断をしたのか。何ならこのまま東京に帰ってもいいにもかかわらず、です。墓のことなんて放っておいて。
それはもう一度実父に向きあう覚悟が西立にできたからだろうとフィンディルは想像します。】向き合って、キッチリ終わらせたい。スッキリと帰りたい。そしてもう二度と関わり合いたくない。……ですかねぇ。
【そして“左手”に撫でてもらったことは、退行していた西立にとって「子どもの頃に欲しかった手」であった。両親が喧嘩をしている場面では、こうやって西立を優しく慰めてくれる手なんかなかったので。これも西立にとっては過去に一定の清算がなされたような気持ちになり、落ち着くことができたのだろうと思います。これもあのころにはない展開であった。】子どもが親と似ていても、全く同じでは決してないんですよね。
【ただこの終わり方にフィンディルは爽やかなハッピーエンドをあまり感じませんでした。それはやはり「意識では家族と思うが本質では物と捉えている」ことが「西立→“左手”」と「実父→西立」とで重なっており、西立はそれを自覚しないまま終わっているからだろうとフィンディルは解釈します。】そんな簡単に、変化の兆しは現れてもこないのですよ。それでも、左手とこれからも日々過ごしていたら、西立も少しは変わっていくのかもしれませんね……なんてことは言いません。西立は、左手が大袈裟に溜め息をついてみせても、まるでわからないまま微笑みかける。それくらいしか、できないと思いますよ。
【“左手”に許してもらうことで西立は実父との重なりから脱するわけですが、“左手”に許してもらうことも含めて物扱いという点で実父と重なっており、その多重性が本作の何ともいえないビターな終わり心地を醸しているような気がします。】爽やかなハピエンより、薄暗い安心感はちょっとないですか?
アンサーは以上となります。長々とお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
今回、私が不調で数ヶ月大したものも書けなくなっていて、アンサーを書く為の引用を取捨選択することがどうにも旨くできず、ほとんどを引っ張ってきてしまいました。ダラダラした感じになってしまい、申し訳ありません。
フィンディルさんには感謝しかないのに、このようなものを投げてすみません。
『AIの左手』への素晴らしい感想文章、誠にありがとうございました。フィンディルさんの精緻な分析から導き出される解釈は、読んでいて驚きと納得があり、静かな感動を覚えます。いただいた文章は、宝物になり、指標ともなります。読み込んでいて、何故か新作のネタもメモっていました。読んでるだけで、文章を書きたくさせる力もあるなんて凄いですね。
改めて…………フィンディルの感想、オススメです!!!!
フィンディルの感想について 連休 @ho1idays
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