二人称小説ってどんなの?
私ことミナキマサオ、ここカクヨムサイトを利用させていただくようになって初めて「二人称小説」なる言葉を知りました。
……ナニソレ? というのが、最初の正直な感想でございました。
私は、小説というのは大概、一人称もしくは三人称で書かれているものと思っていました。
一人称は、主人公が語り手となる表現方法ですね。作中では「私」として登場し(もちろん僕でも俺でもアタシでもOK)、作中世界が主人公の主観を通して語られます。これに対して三人称は、作中人物の誰でもない視点から
もちろん、どちらの方が絶対的に優れている、という種類のものではないと思います。ですが、書く人読む人によって「自分はどっちが得意」「自分はこっちの方が好き」というのが違ってくるのは当然だと思います。
ミナキマサオは、本項を書いている現在、長編は三人称、短編は一人称で書くことが多いです。全部ではなく、例外もあります。……あ、エッセイも基本は一人称ですね。
なぜ書き分けているかと聞かれると……別にたいした理由はありません💧
長編を三人称にしているのは……も、文字数が稼ぎやすいから、です……(言ってしまった……)💧 どこの場面で誰の心情を語っても違和感少ないし、「一方その頃◯◯では……」みたいな場面転換もしやすいし。いろんな角度から語れるのが便利だなー、と思っております。
じゃあなんで短編は一人称にしているのかというと……。
まず、主要登場人物が主人公含めて2~3人までなら、人物名を考えなくてすむからです(オイオイ……💧)。作中での呼び方を工夫する必要はありますが。話運びの都合で名前がないとややこしくなるとか、登場人物がもっと多いという場合は、いさぎよくあきらめて、名前をつけてあげるか、あるいは三人称で書くことも検討します。
それと、一人称だと「認知のゆがみ」を演出しやすいように思います。一人称は、語り手が「私」である分、読み手の没入感が強め、かもしれません。それを逆手にとる、というか。つまり、語り手「私」のフィルターを使って、読み手と作中世界の真実にズレを生じさせるやり方です。語り手「私」が、作中世界の真実を誤ってとらえ、誤った認識のまま語るので、読み手をも誤解させ、ラストでどんでん返しにつなげてびっくりさせる手法。あるいは、語り手「私」が、作中世界の真実をわかっていて、あえて「大事なことを語らない」表現で読み手をミスリードして、ラストで読み手をびっくりさせる手法(場合によっては、語り手も、読み手とちょっと違う理由で、ラストで一緒にびっくりすることもある)。はたまた、あえて読み手の認識を、語り手「私」の認識から外す、という手もあります。語り手「私」は都合よく解釈してメデタシメデタシと思っているようだけど、読み手が読みながら「◯村、後ろ後ろー!」などとツッコミを入れるパターンですね。
固定された一人の認識という画面を通して作中世界を見せるので、「画面に映らない部分」をどう演出するか、みたいな楽しみ方ができるように思います。ホラーとかミステリーのジャンルを想像していただくと見当つきやすいのかな。もちろん、ほかのジャンルでも効果的な手法だと思います。――当然ですが、三人称ではできないという意味ではないです、念のため。
あ、そんなメンドウなこと考える必要ないし、ただ一人称で語りたいんだー、で書くことの方が多いです。やっぱり引き込み力の強さは魅力ですね。
繰り返しますが、一人称も三人称も、どっちが絶対的に優れている、ということはないと思います。どっちが書きやすいか、これを語るにはどっちの表現が向いているか、という話でしょう。
私は、三人称語りの中で、一人称語りも混ぜて使用することがあります。本当はやっちゃいかんのかもしれませんが。ぽそっとこぼすひとり語りの吸引力に頼りたくなることもありまして……。
そんな風に考えていくと……二人称小説って、どういうのだろう? 一応調べてはみましたが、どうもぴんときません。勝手に想像したのは、手紙形式の小説で、差出人(語り手)が自分のことよりも宛先人(相手)のことを多く書いている……みたいなイメージでしょうか(知らんけど)。もしこれが当たっているとしたら……世の中に二人称小説って意外と多そうだな、私がそうと認識していなかっただけで。私はエッセイでもリアルでも自分語りになりがちだから、特定の相手を語るって難しそうだな。……いや待てよ、現代風にいうなら「推しについて熱く語る」が感覚的に近いのか! なるほど! なんとなくわかったぞ! (だから知らんけど)
今度、カクヨムサイトで「二人称小説」って検索して、拝読してみようかな。
……ここまできて、ふと思いました。「四次元世界」「第四の壁」みたいに、「四人称小説」って、あったりして……キイタコトナイヨ
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