BISCUIT(ビスケット)

猫野 尻尾

第1話:雷は嫌いだ。

途中で更新できずに終わっていた作品です、再投稿始めました。

ビスケットは僕3DCGで作ったキャラなのでPCの隅にホコリをかぶったまま

放置してたら可哀想と思いまして・・・。



僕の名前は「混日 裕太こんぴ ゆうた」高校生、17歳。


サラリーマンの父親と半日パートの母親と僕と二階建ての注文住宅で三人

仲良く暮らしている。

で、俺の部屋は二階。


今のところ決まった彼女はひとりいるにはいる。

他に仲のいい男子の友達数人。


僕は今一番年齢的に多感な時、なにもないのにムラムラする年頃。

一番エッチしたい年頃なのにそういうチャンスには恵まれない。

未成年だから風俗関係はタブー。

学校に行けば、お目当の子はいるけどセックスさせてよなんて言えるわけない。


満たされない矛先をゲームと趣味でまぎらわす毎日。

趣味はと言うとPCで自分が理想とする満足できるキャラを3DCGソフトを

使って作ること。


そんな訳で僕は今「ビスケット」と名付けた自分だけのオリジナルキャラを

作って、学校から帰ると彼女とディスプレー越しにコミュニケーションを図る

のが日常の楽しみになっている。


要はAIと将棋したりチェスをしたりするようなもの、その相手がお気に入りの

キャラクターってだけ。

現実には存在しないキャラのビスケット「好きだから付き合って」なんて告る

必要もない擬似的だけど僕の彼女だし良きパートナーだ。


頑張って手塩にかけて育てたビスケットは、僕の理想のキャラだから可愛いに

決まってる。

おっぱいも、お尻も立派でもってナイスバディ。

あと僕だけの楽しみで水着や下着を着せて露出は多めにしてある。

誰に見せるわけじゃないから自分の好みを全部ビスケットに注ぎ込んだ。


なんで彼女の名前が「ビスケット」かって言うと彼女をひたすら作ってる時

誰かから貰ったビスケットをボリボリ食ってたから・・・。

だから単純に彼女はビスケットって名前になった。


もしかして、その時マカロンでも食ってたら「マカロン」て名前になってた

かもしれない。

名前なんて考え出すとそれこそキリがない・・・その時、閃いた名前が

一番いいんだ。


そして、そして、信じられないような、とんでもないことが起きたその日は

朝から雨が降っていて雷まで鳴ってたイヤな日だった。


まあ、雷が鳴ってるのは遠くだから問題はないだろうと思ってPCの前に

座ってゲームをしていた。

PCは二台あって、一台はゲーム用、二台目はビスケット専用。

二台共バイトを頑張って買った、多少は両親にカンパしてもらったけど。


僕がゲームに夢中になってると隣のパソコンのディスプレイにビスケットが

現れて僕に向かって手を降って、相手をしろってアピールして来る。


「分かったから、ゲームが一段落ついたら相手してやるから・・・24時間

おまえの相手はしてやれないっつうの」


ビスケットを適当にあしらいながら僕はゲームを続けていた。

そしたら、急に雷の音が近くなってきて、ものすごい音で近所に一発落ちた。


僕は雷が大嫌い・・・すぐに耳栓を探した。

とりあえずPCの電源を落としたほうがいいかなって思った瞬間だった。

また雷が一発落ちた。

今度はめちゃ近いと思った時、天井の隅を雷の電流がバシバシバシって走った。

そしてプツンっと停電した。

天井の照明もPCも全部落ちた。


「あ〜あ、やられたよ、PC大丈夫か?・・・イヤだよな・・・雷は嫌いだよ」

「だって雷なんかなんの役にも立たないだけだろ」


つづく。


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