妖怪のやり口を推理する。密室の中で
- ★★★ Excellent!!!
推理の範疇にない妖怪と、推理である密室殺人をうまく組み合わせたことが評価され、カクヨムコンテスト10を受賞。
犯人である「雪女」の存在を口にすると殺害されるという、ゲームオーバー条件のもとに物語は始まる。
犯人を口外できないストレスに物語の比重を置いているのが面白く、小泉一人称の思い込みから本来のトリックを歪めてしまうさまが印象的。山荘から脱出しても恐怖は続く。コメディ調。
「コミカライズ版」
作画を担当した「海谷きき」さんはヒューマンドラマで情熱的な漫画を描いています。
その方がミステリーを書くことで、また原作小説が絵という形でトリックを可視化されることで、どういう変化が起きるかに注目して読みました。
40ページでこれだけの情報量を扱うとなると、大仕事だったんじゃないかなぁと思いました。
一コマでも読み飛ばされたらトリックが分かりづらくらなってしまう中、トリックを絵で見せる工夫や、読みやすい画面作りに苦心なされたのではと思いました。
最初に被害者の部屋に入った見開き(488~489P)でトリックをはっきり描いているのが、漫画版にしかない見せ場、アイデアだと思います。
水谷ききさんは、読んでいるこちらが高揚してくるくらいの、のびのびとした表情や構図が好印象な作者さんなので、またどこで読む機会があったらなぁと思います。