【百合】お姉ちゃん、あたしの奴隷になって! ~かわいい妹に「奴隷になって」とお願いされたので、奴隷になってみました~

畔柳小凪

プロローグ 清瀬姉妹の危ない初夜


「……ふぅ、はぁ」


 深呼吸してみるけれど、全然気持ちは収まらない。お腹の下の部分が熱い。もう、我慢の限界。


「……奈央ちゃん。まだダメ、かな?」


 助けを求めるように妹の奈央ちゃんを見上げるけれど、奈央ちゃんは嗜虐的な笑みを浮かべたまま


「だ~めっ!」


と言ってくる。その表情はまるで、我慢の限界に達したわたしを見て楽しんでいるみたいに、軽く上気している。我慢の限界で他のことを考えている余裕なんてないはずなのに、その意地悪な奈央ちゃんの笑みが美しくて、一瞬見惚れてしまいそうになる。


「でもこのままだと奈央ちゃんのベッドをぐちゃぐちゃに汚しちゃうよ?」


 そう、ここはわたしのベッドですらなく、奈央ちゃんのベッド。こんなところでたら――大惨事なんてものじゃないと思う。なのに。


「お姉ちゃんはそんなこと気にしなくていいよ。それくらい織り込み済みだし、学校のスター的存在であるお姉ちゃんが高校二年生になってまで、それもあたしの前だけでおねしょするっていうシチュエーションなんて……考えただけでぞくぞくしてくる」


 そう言って奈央ちゃんの手がわたしの下腹部まで伸びてくすぐってくる。膀胱が大きく揺さぶられ、本当に漏れそうになる。


「あっ、ちょっ、やめっ! 本当に漏れちゃう!」


「お姉ちゃんが早く漏らすようにやってるんじゃん。飲み物飲む? そこに緑茶とアイスコーヒーとスポーツドリンクがあるけど」


「もう奈央ちゃん! お姉ちゃんがお漏らししそうになってるところなんて眺めて、本当に楽しい?」


 わたしの問いに奈央ちゃんは口元を歪めて笑みを浮かべる。


「楽しいよ、ものすごく。それに、お姉ちゃんもわたしに恥ずかしいところを見られて嬉しそうだよ」


 そう言って奈央ちゃんが見せてきたスマホのインカメラに映った自分の表情を見てわたしは唖然とする。そこには奈央ちゃんに負けないくらい顔を火照らせて、みっともない表情を浮かべたわたしが映っていたから。


 えっ、嘘。わたし、この状況に感じちゃってるの……? この全身に帯びてる熱って、おしっこを漏らしそうになってる緊張だけじゃなくて、この状況を楽しんじゃってるから、ってことなの……。


 と、その時。


「あっ」


 股間に生温かい感触があったかと思うと。その生温かい感触が下着、そしてシーツ全体へと広がっていく。一瞬の気の緩みでついに漏れちゃったみたい。こんなところで漏らしちゃってるのに、奈央ちゃんの前でなのに、限界の限界まで我慢させられていたからなのか、それとも奈央ちゃんの前でだからなのか、普段よりも気持ちよさを感じてしまっているわたしがいた。


「お姉ちゃん、よくできました」


 わたしの失禁に奈央ちゃんは満面の笑みを浮かべる。


「それにしても、妹にお漏らしを見られて気持ちよさそうにするなんて、お姉ちゃんも変態さんだね」


「えっ、そ、そんなことは……」


 否定しようとするわたしの言葉に奈央ちゃんはスマホのインカメラを見せてくる。そこにはさっきよりもだらしなく恍惚とした表情を浮かべた、わたしの顔があった。


「優等生で、クラス委員で、新体操部のエースで、学園中から尊敬されているお姉ちゃんがお家ではおねしょしちゃってるなんて、こんなに恥ずかしいことを誰かに知られたら、明日からのお姉ちゃんの生活はめちゃくちゃになっちゃうね」


 奈央ちゃんの言葉にわたしは少しだけ、クラスメイトや後輩から白い目で見られるところを想像してみる。それだけでぞっとした。でもそれと同時に、見つかるかどうかのハラハラに、何とも言えない興奮を感じてしまっているわたしも、心のどこかで居た。


 そんなわたしのことを、何を想ったのか奈央ちゃんは優しく抱擁してくる。


「でも大丈夫。このことは誰にも言わない。だらしなくて、ぐちゃぐちゃに汚れたお姉ちゃんはあたし一人が知っていればいい『特別』だから。だからお姉ちゃん、あたしに、もっと汚くなっていくお姉ちゃんを見せて?」


 もとはと言えばこんな状況になったのは奈央ちゃんがおトイレに行かせてくれなかったのが原因だというのに。


 その時のわたしは


「うん。ありがとう、奈央ちゃん」


と、奈央ちゃんに感謝の言葉を口にしてしまっていた。と、その時。スマホからシャッター音が鳴ったかと思うと、汚れきったわたしをカメラのレンズが切り取る。



 あー、わたし、なんでこんなことになっちゃったんだっけ。全てのことの発端は、ほんの少しだけ遡る――。


 

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10万字前後の完結を目指して頑張りますので、引き続きよろしくお願いします。


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