【星3つでも足りやしねぇ】

本当に面白い作品です。
今まで見逃してたのが悔やまれる作品ですが、唯一の救いが一気読みできるので続きを待つことなく読めるという感じでして・・・でもストック読み切っちゃった(25.03.17現在)
内容は馬鹿王子に無実の罪を被せられ婚約解消と断罪された令嬢を主軸とした物語ですがこのラノベ的テンプレに文学的表現を交えて形成される物語の濃厚さよ。

まずはこの令嬢の無実を晴らすのがチート能力の恩恵だとかではなく、令嬢の父親に恩義がある7人の騎士たちがそれぞれの想いを胸に集ってきて決闘裁判にて決着を付けようとする展開であり、この7人も本物の騎士もいれば名ばかりの階級の人たちも混ざっているが皆の想いは一つで「忠義と正義」による所というのが本当に胸が熱くなります。
今は亡き令嬢の父親も騎士たちの口から語られるエピソードによると読者から見ても敬いたいぐらいの好人物で、その令嬢もまた守られるだけでなく時に芯の強さを見せる愛らしいお嬢さんで騎士たちとのやり取りも本当に心温まります。

対して敵側も玉石混合にて救いようのない愚か者が居れば、粋な快人物だったり、有能であるがゆえに可哀そうな子だったりして立場的に相手側にやむを得ず立たざるを得ないようなキャラ達にもコメント欄で人気が集まるほどのキャラ立ち具合。

舞台は中世のヨーロッパ諸国を想定されておられるのでしょうがどのような世界であるかを明確にせず、同時に存在しえないいくつもの時代を混合したかのような文化を形成しており「ここではないどこかの世界」というのをいい意味で読者の想像に委ねられています。
それでいで随所に現れる蘊蓄は知識のひけらかしを思わせず、想像の中の世界にリアリティを与える一助を担っています。

そして一番目を引くのは作者様の文章の構成力と表現力にあり、前述の文学的表現に加えて時にコメディであったり口語的な文書を使い分ける事で読みづらさを軽減させ、笑ったりハラハラしたりニヤニヤしたりと様々な感情をこの作品を通じて読者に与えてくれます。

いい面はもっと挙げれるのですが、これ以上はぜひ自分の目で確かめて貰うのがいいかと。

長々と失礼しましたが本作は本当に読んでいてページを進める手が止まらなくなる作品ですのでぜひ皆様にも読んで頂きたいと感じております。

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