世界一の豪華な宮殿に転生
京極道真
第1話 ここはどこだー!宮殿?
私は16才。高2。
いつもの電車で通学。
今朝も電車は混んでる。
吊り革に手をかけ、いつも通りの景色。
何も変わらない。
「はあー。」ため息が出た。
真横のおじさん?いや制服だ。背が高く顔は見えない。
が高校生らしいその男子に笑われた。
私は素直に、ムッとした。
今日の私は機嫌が悪かった。
朝からパンを食べようよとジャムをぬろーと手を伸ばす。すると最後のスプーンを姉貴にとられジャム無のパンをたべ、味気ない。
洗面台に行くと歯磨き粉が残りカスカス。
替えがない。
なんだかんだと今日は朝からついてない。
姉貴はそんな私を横目にしっかり巻いたカールでふわっと先に「行ってきます。」と玄関を出て行った。
いつものことだが、完璧な姉貴を持つ妹はつらよー。誰かかわってくれー。
携帯を見る。いつもの時間より遅い。
早くいかなきゃ。「行ってきまーす。」
駅へ駆け出し、何とかこの電車に乗れた。
「ガタン。ガタン。」電車が音を出す。
学校のある駅まで3駅だ。あー姉貴は、とっくに学校に着てるんだろうな。同じ姉妹なのどうやら私は姉貴と違い出来損ないの、ようだ。
生徒会で勉強も運動もできてしかも美人。
よく友達から「いいね。リサ。あんなに素敵なお姉さんがいて」って言われるけど。
正直。うざい。男子も姉貴目当てで私に近づいてきて「お姉さん紹介して」だって。
バーカ!が多すぎてこんな図太い、体育会系の私でも傷つくぞ。
「はあー。」また、ため息をついてしまった。
素早く横を見た。
今度は横の男子は笑ってない。
気づかれなかった。セーフだ。
「ガタン。ガタン。」
今日は妙にガタンが多い。
そういえば誰かが言ってた。電車は時間を越えて走っている。
ガタン。ガタンは本来の時間と時空の時間のずれを調節するためのガタン。ガタンだと。
「そうだよ。」
横の背の高い男子高校生が背をかがんで
「そう。その通りさ。」
変な人だ。見ちゃいけない。目を合わせないように。
その間もガタン。ガタンの電車の音が続く。
私はつり革を持つ手に力を入れた。
えっ?待って。今の隣の男子はなぜ、私の頭の中のことをわかったの?答えたの?
えっ?これは偶然?
また横の背の高い男子高校生が背をかがんで
「偶然じゃないよ。さあー行こう。みんなが君を待っている。」
「ガタン。ガタン。」今度は電車が大きく揺れた。
眩しい光が。次の瞬間。私は宮殿の中にいた。
えっ?
「ようこそ、ローズパレスへ。」
えっーーーーー!
まわりをよく見ると、マンガに出てくるようなかなりきらびやかな宮殿だ。
さっき電車で横にいた。男子学生がいた。
「?」かなりのイケメンだ。
「待ってたよ。リンデン姫。」
「ちょっと待った!私の名前はリサ。
田中リサ。
リンデンじゃないわ。
誰かと間違ってるんじゃないの。
それに私、学校に遅刻しそうなの。
早く電車に戻してよ。」
少し困惑した顔で
「僕の名前はアーサー。
君は僕の妃になるリンデン姫だ。
君が妃になる前によその世界を見たいって
ワガママ言うから転生していたのさ。
だから簡単に言うとホームに戻って来た。
お帰りなさいだ。リンデン。」
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