ホラー・ミステリーの極み自己確立の不在証明。
- ★★★ Excellent!!!
ふと、全く何の気なしの一瞥が、後々
途轍もなく膨れ上がる…。
そんな経験をした事は誰にもあるだろう。
まさに、この作品がソレだった。
【棺桶の中は】のタイトルが如何にも
怪奇染みていて、ついフラフラと立ち
寄ったのが、もう既に魅入られていたと
いう事なのか…。
物語は、ある女性の生い立ちについて。
不遇な幼少期を送ってきた主人公の許に
母親の 死の報せ が齎される。それも
母同様に好ましからざる妹からの
巫山戯た 報せ によって。
そして 母親 という名の、文字通り
『見ず知らずの女』の葬儀が始まろうと
していた。
とにかく、物語に引き込まれる。いや、
取り憑かれる と言った方が正確か。
こんな作品にはそうそうお目にかかれる
ものではない。
ホラー色もさる事ながら、ミステリー の
趣も相当に強い。何一つ分からない、
自らの人生の『礎』すらない非情な土地で
見ず知らずの 夫 と綱渡りの様な共闘を
敷いてゆく。果たしてこの奇怪な状況の
謎は解けるのか…。
息を呑んで、続きを待っている。