旅と花が紡ぐ、人と土地の物語
- ★★★ Excellent!!!
世界中を旅する青年オルオーレンが、花を通じて人々と関わり、時には事件に巻き込まれながらも旅を続ける物語。そんな本作の魅力は「花が土地の記憶や人々の想いを映し出す」点にあります。灯火草は祖母との思い出を象徴し、オレージュの花は村の誇りそのもの。オルオーレンは花を通じて、人々が自らの物語に気づく手助けをしていきます。
穏やかで詩的な文体も本作の魅力。花や風景の描写が繊細で、読者の目の前に静かな情景を浮かび上がらせます。オルオーレンの柔らかな語り口も、物語全体の優しく落ち着いた雰囲気を形作っています。
物語はまだ途中ですが、彼がどんな花と出会い、どんな物語を紡いでいくのか、今後も楽しみです。オルオーレンの旅は終わることなく、新たな花を求めて歩き続けるのでしょう。