そこに黒板アートはもうない。

黒板アートは、無慈悲に消されるその儚さに意味があるのだろうか。

当事者間でしか共有しないから良いのだろうか。

真っ黒な背景の前に笑顔の卒業生と彼らの名前が書かれている。

私は担任として、自身の名前と一文を書き足す。


「S君は、私たちが殺しました」


すぐにこれも校長によって消されるだろう。

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