私の小さな霊園

京野 薫

水の世界のリム

 気が弱く自己主張できない性格のため、短大卒業後半年で仕事を辞め、日々自分探しと称してはブラブラ散歩する毎日の「山本りむ」


 悪いのは私じゃない。

 私の特性を理解しない周囲が悪いんだ。

 そんな他責思考で就職活動も芳しくなく、やる気を失っていた。


 そんな彼女が、亡くなった祖父の遺品を整理していると、若い時の旅行記が出てきた。

 読んでみると、そこには某海岸にある洞窟のある場所から、水に覆われた世界へ行き来していた。

 一旦危機は過ぎたがまたあの世界は……と言う気になる一文。


 どうせ暇だし……と、就職活動と嘘ついて書かれている海岸に向かったりむ。


 だが、そこで光に包まれて目覚めた先は、一面海面に覆われた世界。

 そこで出会った少年カイトによると、ここは名声欲のために封印を解いた魔女、ライムによって海面が上昇した世界らしい……


 だが、この世界の建造物にりむは見覚えが……


 ●○●○●○●○●○●○●○●○


 はい、この霊園での最初のお墓はタイトルの通り拙作「リムと魔法が消えた世界」の原案です。

 最初、この設定で1エピソードほど書き進めていました。


 ではなぜお墓に入ったのか、と言うと……このリムちゃんが好きになれませんでした。ゴメンね(汗)

 書いてると、この人はとにかく他責思考が強くて……

 あと「一面海に覆われた世界」の描写が難しくて、私の拙い技量では物語を広げられなかったのです。


 そのためウンウン考え直してたら「万物の石のペンダント」と「海の近くの図書館」そして「過去の後悔を抱えているけど、中々前に進めない。勇気を持つことの出来ないリムちゃん」が浮かびました。


 そして、個人的に好きだった魔女ライムを、妖精に変えて……スルスル浮かびました。


 それによってタイトルも「リムと魔法が消えた世界」に変えて、今に至ります。

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