28話 苦悩

「Cとは家の方面も近かったし、一緒に帰ることもしょっちゅうだった。だから、その日も私はCと一緒に帰ってた。そしたら、急にCが泣き出したの。突然のことすぎて、テンパりながらも理由を聞いたの。そうしたら…」

「…そうしたら?」

 南は息を呑んで言った。

「Cはずっと前からAのことが好きだったんだって。私は全然気づかなかった。おそらく、AもBも知らなかったと思う。私はどうしたらいいかわからなかった。正直、付き合った理由は漠然としていたし、Aと別れようかと思った。だけど、そうしたらAはきっと傷つく。私はすごく悩んだ。でも、どうにかしなきゃいけないと思った」

「…それで、南はどんな結論を出したの?」

「結局、私から結論を出すことはなかった。それは私含めたこの4人の関係性が崩壊したあるきっかけがあったからなんだ」

「そう、なの?」

「うん」

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