予告編4『絶対防御。コンプライアンスはお任せを!』

 来たるその日──三百六十五日後。

 ミイラちゃんは考えた。

 減らすどころか人間たちは増える一方。

 もう今更、間引くことなどできない。だから、考えた。

「みんな、隠れるのよ! 絶対に見つかっては駄目よ!」

 ミイラちゃん、苦肉の策。人間たちに指示を出して隠した。


──いよいよ恐怖の大王が降臨する。

 恐怖の大王は裸だった。何も着ていない。

 だが──光、泡、煙──あらゆる事象が、彼女の恥部を隠すことに努めた。

 対して、人間の男たちも動き出す。なんとしても邪魔者たちを掻い潜り、恐怖の大王のその裸体を眼に焼き付けるのだ!


 水面下で人知れず、絶対に隠したい自然事象と邪な人間たちの戦いが始まるのであった。


 次回──。

『絶対防御。コンプライアンスはお任せを!』


 そして──。

「あら? そこに誰か居ますの?」

「え、あ、いや。そこには誰も……」

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