第3話 美味しいご飯をたべたい!

前回、個室トイレの中でヒキニートをしていたら、用を足しに来た父上に激怒からの暴力的躾をされた。シュウです。


危うく、罰として夕食を食べさせてもらえないところでした。 


――父上、ちょっとだけ優しい?


さぁ~て 今夜の夕食は? 


固いパン、塩ゆでしたお肉、塩で味付けした焼き野菜、塩味の薄いスープ、デザートはブドウでした。

飲み物は、果汁水。ほとんど果汁100%! 酸っぱいです(泣)

因みに、果汁水が無い時は、ワインや果汁酒、ビールが出る。未成年に酒を飲ませるとはどういう事ことだ! 

と抗議したいところだが、このフロンシニアス王国では、まともに水が飲めない。


硬水なのかわからないが、昔から水はあまり飲まれていない。硬水か軟水か調べようがないがないし、川や井戸も汚物に汚染されて、まともな綺麗な水とは思えん。

どうすることも出来ずに我慢をしている。 


――ストレスが貯まる!


そしてワイン、果汁酒、ビールは、とにかく酸っぱい! まず、普通に飲めない! 

蜂蜜、スパイスを入れてはじめて飲める品物だ。


フロンシニアス王国には、箸というものが当たり前ですが存在しません。

ワイルドにみなさん一緒にナイフと手掴みです。

皿の代わりに親指かパンを代用、使い終わったパンは、スープに浸して柔らくしてから食べます。


汚れた手は、ドヤ顔でテーブルクロスにフキフキですぅ! フィンガーボウルがあるのに! まったくもって信じられん!


フィンガーボウルは、食事中に卓上で指先を洗う水と花が入っているボウル。


毎回の食事でテーブルクロス交換、洗濯です。

洗濯をされるメイド様には頭が上がりません。 お疲れ様です。


兄上達からの


「役立たずの無能が、なぜ! ここにいる」

「半人前のくせに、食べるのは二人前なのだな!」


嫌味たっぷりの有難い小言を聞きながらの食事が終わり、自分の部屋に帰って来た。


「フ~ 満腹! 満腹!」


僕が、満足げにお腹をさすっていると、レイニーが声を掛けてきた。


「ロッシュウ様、今夜は、たくさんお召し上がりになりましたね?」


「そうだね。質より量って感じかな。もっと、香辛料、スパイス、砂糖とか使って欲しいけどね。もっと美味しくなるのになぁ。 あと、醤油、味噌とかも欲しいなぁ……」


お味に関しては、美味しいとは…… そこは、察して下さい……


「香辛料、スパイス、砂糖は高価な品ですから…… ところでショウユ、ミソとは

どのようなものなのですか?」


「ショ、ショウユ…… ミ、ミソは、遠い東の国にある調味料だったかな?

ハハハハハッ…… ウッ」


またもや、前世の事を言ってしまった。誤魔化させたかな? 多分……

レイニー不服そうな顔をしてこちらを睨んでる。


「レイニー達は、普段はどんな食事をしているの?」


「パン、野菜、スープですね。お肉は時々食べることができます。宴会や晩餐会の時は、残り物は使用人で分けて食べてます。お肉もたくさんあって美味しいです」


「エッ! 僕たちが残した物を…… 残り物とかを食べるの嫌じゃないの?」


「全然、そんなことありませんよ! 一般庶民の食事に比べれば、贅沢でとても美味しいですから!」


「――そうなんだ…… それは良かった」


香辛料、スパイス、砂糖は、別の大陸からの輸入しているので、どうしても高額品になるらしい。


王家の財力を見せつける為に高価な香辛料、スパイス、砂糖をふんだんに使う! 使う! どうだ王家の力を! エッヘン! ドヤ顔で鼻高々! 


――残念ながら、自分達で稼いだお金ではない。庶民から徴収した税金だ!

庶民のみなさん! 王家、貴族が贅沢をして申し訳ない! 僕たちが贅沢な生活が出来るのは、みなさんのおかげです! 税金を納めていただきありがとうございます! ペコリ……


王家、貴族の役割、権威、贅沢も理解は出来るし、役割、権威、贅沢も大事だが、ザ・元庶民の僕には、庶民の生活向上の為に税金をもっと使ってほしいと思う。


この想いを父上、兄上達、宰相、執事長、家庭教師に伝えてみた結果は――


ジャッ、ジャーン!


また、怒られた。 それ以上に罵倒された!


父、国王バイクッラより


「お前には、庶民よりお家が大事なのがわからないのか! 王家の資質がないんじゃないのか! アルパトス家の恥がっ!」


父上のお言葉であれば、甘んじて受けよう。


第一王子ジェニス兄上よりここと言わんばかりに


「何を考えて生きてるんだ! このゴミが! 〇ね! クズ!」


お前ら以上の汚物はねぇーーよ!


第二王子パリック兄上よりポイントを押さえた罵倒。


「貴様には〇すら生ぬるい! トイレに落ちて〇ね! 無能!」


子供の口喧嘩かな?


宰相より一言


「ロッシュウ様、残念っ!」


僕、全否定された! 全僕が泣いた(泣)


執事長より


「………………」


無言…… 地味に心にくる。


家庭教師より絶望的な一言


「だめだこりゃ!」


――い〇りや〇介さんかな?


こうして、完璧に無能、役立たずの烙印を押された。

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