居場所を見つける時、人は何に救われているのだろう

孤独で鬱々とした日々の中、「とびきりの昼ごはん」という楽しみを見つけた男。
5話全てにおいて、それぞれのメニューが色を添えます。
けれども読者の誰もが「飯テロ」などというワードを使いません。
主題がそこではないことに、すぐさま気づくのです。

こちらはフランスの片田舎を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマで、心打たれる映画を見ているような読書体験が得られます。

今置かれている状況は、過去の出来事の成れの果て。
でも失敗しない人なんて居ないし、完璧な美貌、抜群のスタイル、順風満帆な旅路……そんなツマラナイ人生なんて、と思ってしまうほどに、人間たちから染み出す滋味がここにはあります。

特筆すべきは料理(エピソードタイトル)に込められたメタファー
孤独な鶏、群れから外れたイワシ、臭いチーズ、クズ野菜、アザだらけのりんご

一見ネガティブな特徴がずらりと並んでいますが、これらは置かれた状況であり、心象風景であり、そしてネガティブな側面を目の当たりにし、受け入れ、その上で人生の旨味へと活かしてゆくプロセスでもあるのです。

この作品のキャッチコピーが「何に」ではなく「誰に救われたいのだろう」であること、そしてタイトルが「星」ではなく「星の群れ」であることも、一連を読み終わってみるとあらためてその秀逸さに驚かされます。

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