第3話 アクティブ桐傘
「なるほど桐傘理解しました」
「そういうことが、ついさっきあったわけ」
花坂の話を簡潔に要約すると、花坂には今現在付き合っている彼氏がいるが、どうやら見知らぬ可愛い女の子と放課後仲良く歩いている現場を目撃し、路地裏でブッチューしてたらしい。街中で接吻とは中々に大胆な彼氏さんである。この話を聞いて、俺の頭の中に二つの選択肢が浮かんでいた。
それは、花坂を励ますか、花坂に好かれに行くかである。正直大して仲良くない俺に彼氏の浮気話をされても俺が出来ることは精々話を聞くことくらいしか出来ないのが現実である。だったらねぇ……。
「とりあえずその彼氏を明日以降尾行してみて、他の女子と遊んでいないか確認してみるよ」
「え、いいよ、別に頼んでないし……」
「まあ花坂の気持ちは分かるけど、なかなか聞かない話だったから少し興味が俺の中で湧いてきちゃって……」
「人の恋愛事情で遊ぶなよ、まったく……」
ここだ、男になれ桐傘。
「あのさ、花坂」
「なに?」
「彼氏が浮気している状況証拠をおさえたらさ」
「うん」
さあいくぜ、放て。
「俺と付き合ってくんね?」
「あーーーー、うん、そうねー、いいよ。」
「ですよねー、少しふざけ過ぎたわ、ごめんごめん、って、え?」
聞き間違いに決まってる、あるいは言い間違えたに決まっている。そんなはずはないんだ。
「い、今なんと?」
「だからいいって、おっけいだよ」
花坂の発言をいまだに信じられない俺だったが、この後花坂の彼氏の情報収集を行い、翌日以降彼氏が本気で別の女子を連れ歩くことに四六時中期待し、尾行を行うこととした。
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