ヒューマノイドも苦悩する! 人間だもの!
- ★★★ Excellent!!!
自分が人間ではなくヒューマノイドであることを知らされた主人公オルドは、自身のアイデンティティーに疑問を抱きつつも、盗難されたプロトタイプ型ヒューマノイドロボット・ノヴァの脳器(コンピュータ)の行方を追い続けます。
ばりばりのハードボイルドSFかと思いきや、怒り、悲しみ、葛藤、様々な感情が交錯し、そのたびに人間とは? 生命体とは? を考えさせられます。
複雑な国際情勢が絡み合い、科学、哲学、倫理学、日本神話等々、一見するとSFとは無縁と思われるエッセンスが違和感なく絶妙に融和し、作者さんの筆力の高度さにも脱帽です。
オルドにも喜怒哀楽はあるのです。人間だもの!