第4話 おやつの時間と
〜ある日の八つ時〜
「お腹空いたぁ」
「そろそろなんか食うか?」
3時になるとお腹が減るよね!
零は立ち上がり
「なんか持ってくる」
「うん!よろしく!」
〜〜〜〜
「これ食えるか?」
「え?なにこれ。初めてお目にかかるのですが?」
なんだろう、丸くてカリカリしてそうな生地に線が刻まれてますが?
「月には無いのか?」
「オフコース」
「まあ食ってみろ」
まあ物は試しだし、食べてみよう。
ぱくっ、カリッ
んんんんっ!
こ、これは…
「うまあぁ〜」
「それは良かった」
と優しく微笑む零。
たまにこの表情出すのずるいのでは?
顔に出ないようにし、私は問う。
「この甘味の名はなんと言うものでしょうか?」
「メロンパンだ。まあメロン果汁は入ってないがな」
「とても素敵な名前の甘味!」
だって果物の名前が入ってるのって可愛くない?
見た目も可愛いけど!
サクサク生地の下にふわふわの生地!
サクサクとふわふわのコラボレーション!!
そして程良い甘み!!
可愛い上に美味しいなんて!
そして私は夢中になってメロンパンにかじりついた。
〜〜〜〜
「ごちそーさま!」
「お粗末様でした」
美味しかったぁ。
もうメロンパン信者になるかも。
「ところでだ」
「はい」
「月の民はみんな、ああいう着物を着てるのか?」
「うん、着物とか十二単とか着てるね。前までは違う服装だったんだけど、月の民も地上人の着物とか見て取り入れたんだよね」
「今の俺達はそんな服装してないが?」
「いやそれがですね、月の王様が
"厳格なる月にはそんな服などいらぬ"
って仰ってみんな来てないんですよ」
「随分頭の硬い王様だなァ」
「だよね」
まあ、着物も十二単も好きだよ。
でも
「でも、ここに来れて、地上の服を着て、地上のご飯や甘味を食べれて、幸せだよ。
零、ありがとね」
「!?…どういたしまして」
「?」
「何でもない」
どうしたんだろ?
「あの笑顔は反則だ…」
その後零がそう呟いたのは誰も知らない。
To Be Continued
もし許されるなら月光の下で 揺月モエ @nakamoe0429
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