第6話 歪みに気づく

マリアに噛まれたあの日、初めて覚えた快感を再び味わいたくて…。でもマリアはまた優しいいつもの愛し方に戻っていた。


そしてまたいつものように何も無く終わる。


いつも、いつも、安心感はあったが言語化出来ない寂しさと孤独感があった。


でもあの時感じたものは全てを真っ白にしてくれるものだった。

でも、二度目は一向に来なかった。


週に2~3度マリアは晴太を脱がせていた。


でも二度目が無く、仕方なく覚えた自慰をしたくてもたちもしなかった。



次第にあの刺激が欲しくてたまらなくなって、でも言えなくて、、。

マリアの顔を見るのも辛くなっていた。


だからある日学校を抜け出して誰もいない雑居ビルの一室に居た。


マリアの母に持たされたスマホがずっと鳴っていた。

全部マリアの母からだった。



渋々電話に出ると、


『晴太、今どこ!』

『……』

『どこって聞いてるの!!答えられないなら今すぐ帰ってこい!!』



晴太は母に電話を切られて急いで帰宅した。



―――――――――帰宅直後。


ドアを開けると母が立っていて、思い切り頬を叩かれた。



「何回かけたと思ってんの!!気づいてんならすぐ返せ!!」


何故か分からないが心が暖かくなった。



―――――――――――――――。

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